SSブログ

2002年。イタリアの記憶(ヴェニスに死す!?) [海外出張+空き時間鉄]

2002年の10月のこと。以前ちらっとご報告したコモ湖での会議仕事の後、いい歳をした上司が『ヴェニスでゴンドラに乗りた~~い!』と駄々をこねたので、3日間のヴェニス滞在となりました。

ってことで、唐突にイタリアネタです。季節も関係ありません。ま、強いて言えば『ネタ切れ』でしょうか?

VENEZIA2000-00.JPG(1)

ミラノからの飛行機がヴェニス空港に着陸寸前に窓から見えた光景~鉄としては思わず『おお~!』と声をあげてしまい、アリタリアのスッチーに笑われてしまいました。

明日は駅見学だぁ~と心に決めた瞬間でした。

 

で、翌日早速やってきました、ヴェニスのターミナルはその名もサンタルーチア駅(Stazione di Venezia Santa Lucia)ゴンドラのおっさんが唄う歌と同じですね。
VENEZIA SL.JPG(2)
水の都に相応しく、駅本屋の前はいきなり運河(映画の題名にもなった大運河=Il Canale Grande)になっています。駅前から逆S字にうねりつつ、有名なリアルト橋(6)を経てサンマルコ寺院のある広場(7)まで~この運河がいわばメインストリート~市内交通の主役が船であるのは有名ですね。
VENEZIA MAP.JPG(3)VENEZIA CANAL3.JPG(4)VENEZIA2000-10.JPG(5)VENEZIA CANAL1.JPG(6)
いつも観光客でいっぱいのリアルト橋(↑)と、サンマルコ寺院(↓)。VENEZIA CANAL2.JPG(7)

鉄分皆無の写真でスイマセン~なにしろ街中には鉄はおろか、クルマも走ってない・・


サンタルーチア駅に戻って列車の検分(見聞)です。駅舎正面には長距離列車用のホームが並んでいます。

イタリアのお家芸のPENDORINO(=振り子式電車)がお出迎え~しかしちょっぴり爬虫類(もしくはカバ)っぽい顔つきのこの電車。ジウジアーロのデザインだそうですが、カッコイイようなそうでもないような・・・
(8)
VENEZIA2000-11.JPG

ヨーロッパらしい客車列車は国際列車に多く残っていました。行先も様々な各国の客車で編成された客レの先頭に立つのはイタリアの高速ELの元祖E444形でした。う~ん、この顔つきも何だかなあ・・『デザインの国ナンダロ!?』と、ミラノに続いて突っ込みいれたくなりますね・・。VENEZIA2000-01.JPG(9)

VENEZIA2000-15.JPG(10)
当時の最新形だったEurostar(イタリア発音だとエウロスター)のETR500も来ていました。ピニンファリーナのデザインは塗装(※)も含めて悪くないですが、『ヨーロッパ標準形』って感じなのはツマンナイなあ~と感じました。長らく電車方式に拘ってきたイタリアまでTGV式になっちゃったのも残念だし。

アメリカ東海岸のASERAともよく似ています~ってかそっくりですね。

※この色は、現在は変更されているようですが、当時の色の方がイタリアらしくて好きです。


(11)これこれ!丸っこいこの顔こそイタリアの電車!ってCedarの世代は思うのです~VENEZIA2000-06.JPG
こちらはChitetsuさんのブログにも登場した近郊形電車Ale801(?)だと思います。同形の急行用Ale601(↓12)とともに、'60年代のイタリア電車の代表ですね。登場時は前面貫通式だったはずですが埋められていました。それにしてもここもイタリア名物(?)の落書きが酷いです。

更に痺れたのは発車していくときのモーターノイズ、なんと吊り掛け式!

(12)ガキの頃、初めて『鉄道ファン』誌上でこの電車を見たとき『カッコイイ~!』と思ったものでした~内装の鮮やかなカラー写真も印象に残っています。20089723408_ALe601RO[1].jpg
(イタリアのサイトより)

本屋の左側の屋根の無いホームは、もっぱら近郊列車や区間運転DCなどが発着していました。

VENEZIA2000-05.JPG
(13・14)右は近郊形DC、左はプッシュプル式の制御客車です。
DCの顔つきが何かに似てるなあ~と思って気になっていましたが、西鉄5000系に似ている?~丸切妻に一応パノラミックウインドウ~狂電関人さま、どうですか?。VENEZIA2000-04.JPG
左のプッシュプルのお顔は・・いずれにしても『デザインの国』イタリアの車両であります。
列車が格落ちするほど落書きも酷くなってきます~なんともはや・・・。


ヴェニスという街は、すべてが海(遠浅の干潟)の上にあります。駅にしてもこれだけの規模のものが干潟上に造られているのは、今更ながら驚きますね。
VENEZIA2000-07.JPG(15)

アドリア海の干潟の上に無数の木の杭を打ち込んで地盤を作り、その上に石造りの教会や住宅を建てたという摩訶不思議な構造の街がヴェニス。VENEZIA2000-09.JPG(16)

(17・18)このすべてが、干潟に打ち込んだ杭の上に建っているとは・・VENAZIA .JPGVENEZIA CANAL 6.JPG

海上交易の利権で潤っていた『ヴェニスの商人』たちが陸上の都市国家との争いを嫌って、富に物を言わせて世界のどこにもない海上都市を造ったのです。
VENEZIA2000-14.JPG(19)

船の時代には繁栄をほしいままにしたヴェニスも、陸上交通の発達につれて衰退していきました。

~そして鉄道の時代・・・駅も桟橋のような長い橋が必要でした。

サンタルーツィア駅のはずれは、本土側と約5kmほどの複々線の鉄橋でつながっています。
VENEZIA2000-13.JPG(20)

運河を行く船が線路を潜ります、かわいらしい入換用のDLがいました。
(21・22)DLの後ろの地味派手な塗装の客車はベルギー国鉄のものです。VENEZIA2000-03.JPG

VENEZIA2000-02.JPG


VENEZIA SL.JPG(23)

『ヴェニスに死す』かどうかはともかく、死ぬ前にもう1度行ってみたい街ではあります。

 

 


nice!(12)  コメント(21)  トラックバック(0) 

nice! 12

コメント 21

Cedar

★あおたけ様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2014-05-30 12:19) 

hanamura

おおお!(ここにはアリタリアのスッチーは居ません。)
ヴェニスに鉄道というイメージは、ありませんでした。
地球温暖化のニュースを聞くと、心が痛みます。
by hanamura (2014-05-30 16:48) 

のり

イタリアの鉄話、楽しませていただきました。
イタリアの「鉄」といえば、映画「鉄道員」かセッテベロ…、くらいしか思い浮かばない貧弱な頭脳の持ち主です。
Cedar様は、なかなかいろいろなところに出撃しておられるのですね。
by のり (2014-05-30 18:53) 

Cedar

◼︎hanamura様
ヴェニスに陸から突き刺ったようなサンタルーツィア駅の情景は(1)のとおりです。
上げ潮になるとサンマルコ広場は水で覆われ、鉄製の通路が並べられます、その上を歩きましたが、それもヴェニス体験と楽しみました。

★suzuran6様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2014-05-30 19:40) 

Cedar

◼︎のり様
イタリアは仕事で3度行く機会があり、その度に『空き時間鉄』しました。ヴェニスはミラノ近郊での会議のあと、ゴンドラに乗りたい上司を焚き付け、まんまと3泊しました。ホントはミラノから鉄道で移動しようと画策しましたがミラノ〜東京のエアチケットの特典〜イタリア国内1都市無料〜だったので無理でした。
by Cedar (2014-05-30 19:50) 

Cedar

★nd502様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2014-05-30 20:46) 

Tad

> 更に痺れたのは発車していくときのモーターノイズ、なんと吊り掛け式!

あれってモーターの発する音なんですかね? ギアの方と思うのはトーシロー?
常々そこがいつも引っかかってるもんですから,これを機会に伺う次第で…。
by Tad (2014-05-30 22:06) 

hideta-o

サンタルーツィア駅といえばキャサリン・ヘプバーンの「旅情」、FSの電車といえばのり様と同じくETR300「セッテベロ」っていうのはやっぱり古いでしょうか・・・。
by hideta-o (2014-05-30 22:29) 

伊豆之国

10番の写真の先頭車、一瞬「サンダーバード」に似ているなぁ、と…。屋根なしホーム、雨の少ない地中海気候だから余り気にならないのでしょうか。日本だったらまず無理でしょうね。路面電車の電停でも屋根付きが増えていますし…。
「落書き電車」と言うと、以前話題にした下津井電鉄の保存車両、「外側のは既に消された」と書いたのですが、車内のほうのはまだ残っているのでしょうか…。
ヴェネツィアの水郷風景を見て思い出してしまったのは、Madonna(坊っちゃんとも寅さんとも関係ありません)の"Like A Virgin"のプロモーションビデオ…


by 伊豆之国 (2014-05-30 23:27) 

ワークスK

おおっ! 行かれましたか! 当方も2000年に訪問しました。
 で、"この次の機会”があったとして、私がテッチャンをしてみたい場所は、橋のタモトの南側、機関車溜まりです。中に入れてもらえないかなあ。だめな場合は、駅構内へは自由に入れるので、ホームの先端から遠望で我慢ですね。線路がさらに機関車溜まりを抜けるところに、客車ヤードがあります。線路に沿って道があるので、歩けないかな。私は歩道橋の上から眺めただけでした。このあたり、グーグルマップの航空写真でバッチリです。あれっ! 線路の上を新交通システムみたいなラインが横切っていますね。
 この航空写真を辿ってリベルタ橋を本土側へ渡ると、メストレという都市です。大きな駅やヤード、さらにコンテナ埠頭があったりと楽しめます。かつて同僚が、ここの保線機械メーカーに完成検査で行きました。それを昔から探しているのですけれど……。
 なお、リンク先は当方の訪問記です。プラウザにグーグル・クロームをお使いの場合は「不正なソフトウエアを事前に検出」という警告が出ますけれど、一応、対処はしてあります。怖いもの知らずの方はどうぞ
by ワークスK (2014-05-31 01:54) 

Cedar

■Tad様
おおっと!スルドイ問題提起ですな。
たしかにモーターが違うんじゃなくて、装架のしかたが違うンですから。吊り掛け式ノイズ、ってことですかね?
ここはひとつ、我らがChitetsuさん辺りも交えて議論ってか雑談しましょう。
■hideta-o様
『旅情』のラストはシーンは印象的でした。海に浮かんだロマン都市から現実へ、というくだりはハリウッド好みのシチュエーションです。イタリアの電車は学生時代はあこがれでした、セッテベロのほかにETR220という戦前製の流線型連接車も好きです。
■伊豆之国様
ヴェネチアは地中海気候というより、山陰地方に似た気候ではないでしようか。各停ホームが屋根無なのは、単なる差別でしょう。
色々な映像に登場するヴェネチア、この景色は唯一無二ですから。

by Cedar (2014-05-31 10:26) 

Cedar

■ワークスK様
しばらくです。コメントありがとうございます。
この時もせめてメストレまで往復しようと思いましたが実現しませんでした。保線機械というとスイス製かと思いましたが、イタリア製もあるのですね。
by Cedar (2014-05-31 11:31) 

Cedar

★パルの大冒険様
★gardenwalker様
★フジトモ様
★あるまーき様
★モボ様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2014-05-31 16:06) 

hideta-o

cedarさま
ETR200系の流線型もかっこいいですね。ところでこれらの電車(セッテベロも含めて)ってやっぱり吊り掛け式だったのでしょうか。

by hideta-o (2014-05-31 16:49) 

Chitetsu

ベネチア、二年前の家族旅行で私も行って来ました。
どの建物を見てもボロいものの立派で過去の信じられないほどの富が作った街という印象ですね。
列車でサンタルチア駅に進入するところは何とも素晴らしいです。
でも、車両のデザインは自分から見るとこれでもデザインの国⁇という印象なのはCedarさんと同感です。
後はあのイタズラ書き、何とかならんのでしょうかね。
by Chitetsu (2014-05-31 17:32) 

Cedar

◼︎Chitetsu様
地球上の都市の中で最も不可思議なのがヴェニスですね。列車で到着出来なかったのは残念でしたが、空港からホテル専用のモーターボートで海からチェックインしたのは印象的でした。
泊まったのは映画『ヴェニスに死す』のロケ地だったホテルで、ヴェニネツィア映画祭の会場の近くでした。
全然鉄に関係無くてすみません。
by Cedar (2014-05-31 21:42) 

Cedar

◼︎hideta-o様
当然吊り掛けだった、と言いたいところですが確実ではありません。
分離駆動はフランスが先駆者〜なんたってカルダン式ですものね。

台湾のイタリア製特急電車も吊り掛けだったし。
by Cedar (2014-05-31 21:49) 

なにわ

そういえば、大金持ちが集まってフランスが開発した動力分散型TGVを所有しているはずなんですけれど、あれ、どうなったんでしょうね。

デザインに関しては、各国それぞれなので。我々は星さんが導入したスイスのデザインに慣らされてるのもありますし。

落書きは民度が落ちると出てくるんでしょうな、かつての紐育地下鉄がそうだったように。そのうち日本もそういう感じになるのやら。いや、若いのがいなくなるからそれすらないか。
by なにわ (2014-06-01 18:28) 

京葉帝都

ベネチアは憧れの街。歴史のある煉瓦造りの住宅にホームステイってできるのかしら。
イタリアの鉄道では、電車は、客車に運転室を取り付けたような形ではなく、はじめから“電車”としてデザインされてきたような気がします。ETR-200やセッテベロは長く愛されてきました。(11)(12)のような丸っこい車両はキャラ立ちしていて見ているだけで楽しくなってきました。一連の流れの集大成が初代ペンドリーノ(ETR-450)ではないかと。
“ヘッドライトがオデコに一つ+腰に2つ”なのでデザイン的にまとまって見えます。
(13)(14)の右側のDCをよく見ると赤いテールランプがありません。何かのDVDで見たのですが、折り返しの時に腰のヘッドライトに赤い透明の板を被せて尾灯にしていました。芸が細かいですね。

by 京葉帝都 (2014-06-02 22:18) 

Cedar

◼︎京葉帝都様
ヴェニスでホームステイ〜長期滞在向けのB&Bはあるようですが。
イタリアはヨーロッパでは珍しく電車特急が主流でしたね。
DCも活躍してました。
落書きが酷いのが問題ですが。

★やまびこ3様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2014-06-03 05:10) 

Cedar

★arail206様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2014-06-06 11:34) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。