行くに行けない垂涎トラム天国 [外国鉄道写真]
突然ですが、最近エジプトがマスコミに取り上げられることが多いですね~
大相撲、大砂嵐の故国として~
政情不安がニュースになり、渡航自粛勧告まで出てしまった・・ 15年前に仕事で行ったことがあり、そのときに撮ったのが下の画像で(1)
なにやら日本的昭和モダンなデザインの電車=それもそのはず、近畿車輛製なんです。この電車が走るのはエジプト第2の都市アレキサンドリア。地中海に面した港町です。
仕事に追われて殆ど撮影できなかった恨みの町です。その後ドバイやイスラエルには行ったものの、エジプトには行けず終いのままです。
(3~5)そのときに撮影したのは(1)とこの3枚の都合4カットのみ!何しろ全く時間が無かったし、自由時間の夜に1人で撮影にうろつく勇気もありませんでした・・・
現在も主力で活躍しているらしい日本製トラムは古い近車製と名鉄岐阜の電車に似たタイプと2種類ありました。中には世界的にも珍しいダブルデッカーを組み込んだ編成もあるのが堪りません・・・3連で走る姿は市内電車というよりインタアーバンの風情でした。
実際に海外のサイトにはこの線をInterurbanとして紹介してるのもあります。
今の言葉でいえばLRTの範疇でしょうか・・・
今回は以上です!ではあまりに寂しい
~そんなわけでCedar垂涎、再訪叶わぬアレキサンドリアのトラムを海外のサイトから拾ってご紹介します。
まずは見ていただいたカットを撮影した通称ブルートラム=Al Ramlh(ラムル線)=路線図に青い線で描かれている線の画像です。(6)
この線は新市街地(ちょっと高級な住宅地ですかね?)を走る感じです。
M+T+M3両ユニットが基本ですが、ダブルデッカーはTcなので、この編成はM+M+Twc(ダブルデッカーの制御車)です。(8)
ダブルデッカーを組み込んだ編成がギリシャ×アラブ風の建物を縫って走る姿は堪りませんね、ズルズル(涎がたれる音~)。
(10)新市街と言ってもごみごみ&ごちゃごちゃと活気のある街並みも多く、そんなところをダブルデッカーが行くのは絶対痺れる光景ですよね~ズルズル。
香港の雑踏を思い出しますが、香港やブラックプールのダブルデッカーと比べて圧倒的にデカイです~なおかつ乗客が鈴なりってのも凄いです。この路線は驚くべきフリークエントサービスをしてるのに、ダブルデッカーにこの乗車率~日本の鉄道会社(公営交通も・・)はさぞやうらやましいでしょうねえ~ズルズルズル。
(11・12)2つの系統が合流するシーン、いずれも直ぐ後ろに次の電車が迫る~恐るべきフリークエントぶりです。実はこの近くで仕事してたのですが、撮影する時間が全く無かったのはまったくもって残念でした!
(13)
この非貫通の連結面にも痺れます!3連の中間車は女性専用とか・・これは日本や欧米みたいに『女性を守る』のではなく。『男性に女性を安易に近付けない』というイスラム的発想からだなぁ~と思います。カースト制度のあるインドの鉄道も非貫通が多いですし、様々ですね。
(14)窓周りのデザインが違うタイプは、いろいろ調べるとカイロ地区からの転用のようです。
アラビア風の装飾のあるビルの間を行く日本製電車~うーん!やっぱりもういちど行ってみたい!(15)
ラムル線はかつての都電昭和通りや阪堺の堺市内のようなセンターリザベーション区間が殆どです~速度はあまり出ないみたいですが、車外にぶら下がるガキどもを見ていると、発展途上国って感じます。今度行ったら(いけるかな~?)是非乗りたいものです。
ちなみに前回行ったときには『トラムはツーリストが乗るのは危険』と言われました。
(16)
ラムル線のターミナル、Mahattet Al Ramlhはダウンタウンの一角にあって、時計塔のある半円形駅本屋など電車好きには痺れるつくりです。旧市内への系統も発着し、直通運転も行われていました。
(17・18)
広電西広島か、はたまた岐阜忠節か、という感じでしょうか・・・。
この脇をクルマで通過したとき『降ろしてくれ~』と心の中で叫びました・・・・。
それはさておき、この線がインタアーバン風だと思うのは、こんな車両がいることも理由のひとつ~(19)
ブリルの台車を履いた謎の事業用車~サイドに梯子がへばりついてるのを見るとライン・カー(架線修理車)でしょうか・・?
電車はメイドインジャパンなのに雰囲気はアメリカンなラムル線ですが、近車製の登場以前に走ってたのは、なんとなんとPCCカー!、~この時代にこの姿を見に行きたかった!!(20)(21)
PCC時代にポールからパンタに変ったようです。片運転台式のPCCカーを現地のシステムに合致させるため、1+2で背中合わせに連結してるのも面白いですし、近車製にも受け継がれた高いパンタ台も印象的です。
(22)
PCCの時代でも、アレキサンドリア伝統の(?)ダブルデッカーがあったようです、近車時代にも生き残った(と言うより生き返った~)のはやはり輸送量が半端でないから・・・?
PCCのボディを2両分重ねてダブルデッカーにしたもの・・・はさすがになかったようです。
ふたたび現在の姿です。(23)
近車製とならんで色違いのヨーロッパ風(DUWAGかTATRAか?)の電車も走っているのですね~コレは私は見ていません。
(24・25)
なんとこちらはパンタ+ポールの2刀流です。近車製の走るラムル線と旧市内とを直通する系統専用車、旧市内の区間はポール集電なのでこんなのが走ってるわけで~、またまた涎ズルズルです。
いやはや、いろいろなサイトをチェックすると今もこの姿が残っているようですから・・・
アレキサンドリア、行きた~い!
しかし外務省の海外安全HPには、以下のようになってます。
つきましては,7月6日付の危険情報(http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo.asp?id=94#header )にてエジプト全土に対し「渡航の延期をお勧めします。」を発出したところです
やはり当分行くのは無理そうですねえ・・引続きネット閲覧で叶わぬ夢を満たしましょうか・・
ダブルデッカーTcの写真は初めて見ました。貴重品です。世界中で現役のダブルデッカーは香港とイギリス・ブラックプールとここだけですからね。ブラックプールもLRVが大分入っているので、ヘリテイジ入りも間近のようです。
by EF510-230 (2013-07-22 09:27)
アハハ、目に毒な写真ですなぁ。
確か、コペンハーゲンのトラムが廃止になった時にエジプトに譲渡されたって話を聞きましたけど、アレクサンドリアなのかな? カイロだったのかな?
PCCは中古車でしょうね。
しかし、この乗車率で4枚折戸がよく壊れないモノですねぇ。
by Junior (2013-07-22 20:06)
■EF510-230様
このダブルデッカーを始めて見たとき、そのデカさにびっくりしました。近車のサイトによれば低重心になるように苦心したとか・・香港のバスに似た大きさですね。
■Junior様
>コペンハーゲンのトラムが廃止になった時にエジプトに譲渡された~
はいはい、この町に走っていましたよ、次回もクルマの中から撮った、たった2枚の写真から、思い切り脹らませて目に毒な記事をお届けいたします。
PCCのどデカイパンタ台がカッコエエ~!
★やまびこ3様
★フジトモ様
★undo様
★有城佳音様
★あるまーき様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2013-07-22 21:32)
★hanamura様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2013-07-22 23:33)
すごいダブルデッカーですね。
明治時代の大阪市電のダブルデッカー、その伝統がもし引き継がれて新車が存在していたら、かなり注目されていたでしょうね。そんなことを考えてしまいました。
路面電車は、世界中の相当な数の街で市民の足になっているんでしょうね。交通事情という理由で、簡単に廃してしまった日本の各都市。今思うととても残念です。
by のり (2013-07-23 07:11)
★oomori様
nice!
ありがとうございます
by Cedar (2013-07-23 07:13)
■のり様
アレキサンドリアは知られざる路面電車パラダイスのひとつだと思います。旧市内の路線はクルマから見かけましたが、混雑する狭い街路を元コペンハーゲンの電車が走る姿を撮影出来なかったのは、返す返すも残念です。
同じエジプトでも、カイロの電車は1990年代にクルマ増加のために廃止されてしまいました。
by Cedar (2013-07-23 07:21)
★あおたけ様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2013-07-23 20:52)
★nexus6様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2013-07-23 23:42)
アレキサンドリアの路面電車、大阪港で船積みされる際の様子を
父が写真に残していました。
現地ではこんな風に活躍してるんですね。なんだか嬉しいです♪
by サットン (2013-07-24 11:35)
■サットン様
それはスゴイです、舟積みシーン見たいなあ。だいぶあちこちガタがきてるみたいですが、かれこれ半世紀近く頑張ってますね。
by Cedar (2013-07-24 15:26)
★ぷっぷく様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2013-07-28 11:15)
★FTドルフィン様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2013-07-28 14:12)
1枚1枚の写真が新鮮でまたもや卒倒しました。路面電車の進化を見るようです。ダブルデッカーの2階はとても暑そうです。街並や駅舎の密集度がうらやましい。古代文明で栄えた都市は廃墟となって遺跡化しているところが少なくありませんが、アレキサンドリアの凄いところは繁栄し続けているところでしょう。
by 京葉帝都 (2013-07-28 14:18)
■京葉帝都様
エジプト、またもや武力衝突で大変ですね。
アレキサンドリア再訪は当分は無理そうです、ギリシャとアラブ文化が融合した独特の雰囲気が魅力的な街ですね。
by Cedar (2013-07-29 08:23)
これはすごい!!!
垂涎の的とはこういう街をいうのでしょう。
駅の俯瞰も二階建ても、想像を絶するたたずまいだ!
by ナツパパ (2017-03-28 23:20)
■ナツパパ様
ね、すごいでしょ?横目で見てるだけに終わったのは返す返すも残念です。
エジプトにはもう一線ヘリオポリス電車ってのが残ってるはずで、ここにも近車製の電車が入ったはずです。
by Cedar (2017-03-28 23:43)
6年前出張でアレキサンドリア滞在中、青い電車に乗ってロサンジェルスオリンピックの柔道の英雄、モハメド・ラシュワン氏に会ってきました。駅の名前は忘れましたが途中駅の出口を出てすぐの所で小さなスーパーを経営してます。
3週間居ましたがほとんどの経路の路面電車乗りました。
路面電車のポイント切り替え、運転手が鉄製のパイプ持ってで線路に降り直接切り替えていましたね。
by 出張者 (2017-04-05 20:41)
■出張者様
憧れのアレキサンドリアの電車に乗られたとはスゴイ!
お仕事でいらしたのしょうが、なんとも羨ましい限りです。
ご訪問とコメントありがとうございました。
by Cedar (2017-04-06 00:08)
いつも様々な海外鉄道情報、楽しく拝見しております。
アレキサンドリアのインターアーバン、間近でご覧になれたようで羨ましいです…!
その中で、文中でアレキサンドリアの3両編成を「M+T+M」、ダブルデッカー込みの編成を「M+M+Twc」と紹介されていましたが、製造元の近畿車輛の方が描かれたpdfによりますと、正確には双方とも「M+M+M」のオールM車だそうです…。
重箱の隅をつつくような感じのコメントになってすいません…。
https://www.tetsushako.or.jp/page_file/20130424101753_zEQCfol1gS.pdf
by 通りすがり (2018-05-27 13:32)
sikaku
とおりすがり様
古い記事にコメントありがとうございます。なるほどオールMなんですね。ダブルデッカーについての記述は見当たりませんがMwcだったらスゴイですね。アレキサンドリアの電車はもう一度訪ねたいと思いながら徒に時が経ちました。現在の消息気になるところですがエジプトの政情不安もあり、再訪は出来そうにないです。
by Cedar (2018-05-27 17:38)