1998年6月 アイルランド滞在(その4=だーっと沿線紹介) [海外出張+空き時間鉄]
今からちょうど15年前の今頃、1998年6月に訪ねたダブリン。最終回は近郊電車DART(Dublin Area Rapid Transit)の沿線紹介です、仕事の合間と休日に、当時の全線を乗ったり撮ったりしました。
(1・2)
なんだかアバウトな地図にあわせて北から順にご覧下さい。グリーンで描かれてるのがDARTです。
まずは北郊の分岐駅ホースジャンクション(Howth Junction)駅の風景から
本線から平面交差で分岐していきます。
(3~5)Cedarの訪問当時、DARTは分岐するHOWTH行き(↑)だけでしたが、地図にあるように今はベルファスト方面本線を直進するMALAHIDE行きもあるようです。
フルスピードで直進するベルファスト行きインターシティの機関車と、反対側の制御客車。機関車と客車~どちらもどこかすっとぼけた顔つきです。
(6・7)こちらは普通列車、DLは同じですが、一つ目小僧の制御客車のお顔は、塗装のせいか更に面妖~
(8)鶴見線浅野や阪急石橋と同じような扇形のホーム配置、当時はホームにも跨線橋にも屋根が無く、のんびりとしたムードが漂っていました。
次は地図の真ん中辺~北行き列車の始発駅コノリー(CONNOLLY)駅からパース(PEARSE)駅までの間~ダブリンの中心地を貫く高架線で、ここだけが都会の電車らしい雰囲気がありました。
(10)コノリー駅を出て行く南行きのDART、ここからが都心部ですが当時は高い建物もそんなに無く、空が広い印象でした~昭和40年代の東京の感じでしたね。(11)
コノリー駅と次のタラストリート(TARA STREET)駅間、リフィー川(RIVER LIFFEY)の鉄橋風景。東武の隅田川鉄橋に似た感じのクラシックな中路式トラスです。
(12)
鉄橋にさしかかるDL牽引の客車列車、後ろの客車も典型的イギリス風です。昼間15分ヘッドの電車の合間にDCや客レも姿をみせます。
(13・14)昭和日本の私鉄駅そっくりな雰囲気のホームに、日本っぽい『自由形電車』が到着すると、気分はギネスじゃなくキリンかアサヒかサッポロか?って何のこっちや?
丸っこい近郊DCもやってきます。JR九州の『赤い快速』ならぬ、アイルランドの『黒いサバーバン』ですね。
(15)ダブリンの都心の南側、かっての南行き列車のターミナルだったダブリン・パース(PEARSE)駅に到着です。
(16・17)ヨーロッパらしいドーム屋根がホームを覆ってますが、発着するのが殆ど電車なので、往年の南海難波や阪急梅田の雰囲気です。
ちょうど客車列車が到着、この時だけは一気にヨーロッパです~ってもともとヨーロッパなんですけど…。他のヨーロッパ鉄道同様のプッシュプル、テールライトが点灯してる機関車が最後尾です。
この列車の次の南行きダートに乗り込んで出発。
(18・19)ダブリンは小さな街ですから、都心(タラストリート駅)から3つ目の駅は一気に郊外ムードでした。この駅ランデゥドンロード(LANSDOWNE ROAD)は、宿泊していたホテルの最寄り、またもや昭和3~40年代の私鉄によくあった雰囲気です。
ちょっと面白いのは、駅に隣接するスタジアムの客席を線路が潜っていたこと。上写真で電車の後ろに見えてますね。
だーっと見てきたDART沿線風景、さらに進むと近郊のベッドタウンから、嬉しいことに海辺を走るようになりました。
ちょうど天気も良くなって、ゆるやかな丘と海の間を縫って走る電車はリゾートライン気分。
(20・21)ビーチに沿って、ホームもカーブしたソルトヒル&モンクスタウン(SALTHILL&MONKSTOWN)駅。日本では、大手私鉄の線路が風光明媚な海辺を行くシーンって、埋め立てや開発でほぼ絶滅しちゃいましたね。
(22)当時の終点ブレイ(BRAY)の手前の小駅~昭和40年代前半の京急馬堀海岸あたりの風景を思い出しました。
電車もサイドだけ見てると京急の色変わり~ってのは無理がありますが。(23)
そんなこんなで、路線の長さの割に変化に富んだDARTの沿線。東京でいうなら京浜東北線が京急に繋がった感じでしょうか。
(24)当時の終点、BRAY(ゲール語ではBre)の構内スナップです。
クラシックな駅舎に駐輪自転車、ちょっと不釣り合いな自動改札機、ガランとしたホームにコンプレッサの音が響く~何処にでもある昼下がりの終点風景でした。
(25・26)この自動改札は大西洋の反対側、NY地下鉄と似たターンスタイルでした。
現在では、背後の丘の向こうのグレイストーンズ(GREYSTONES)駅まで電車が行ってるようです。
(27)駅の外にはダートと同色に塗られた路線バスの姿も~。
ダブリンの交通計画では、いずれここまで別ルートのLRTが延びてくるとか…。
あれから15年、日本みたいに破壊的変化は無いでしょうが、ダートの沿線も随分変わったことでしょう。
アイルランド~もう行く機会は無いだろうなぁ・・・。
アイルランドの鉄道写真、どれも初めて見る光景なので新鮮でした。食パンでも可愛いお顔で2ドア(外吊)でかつ窓が大きいのでちょっと華奢に見えました。客車列車は客車は英国型なのでしょうが機関車はアジア•アフリカ的で不思議なムードです。
by 京葉帝都 (2013-07-01 00:31)
■京葉帝都様
ヨーロッパでも地味な国の鉄道情報、楽しんでいただけましたか?
イギリスの一部に見られがちですが、宗教人種文化に差があり軋轢もありました。ゲージの違いもその辺が原因とか?
車両もイギリス製が少なく、DLはアメリカ製です。
by Cedar (2013-07-01 06:58)
★あおたけ様
★UZ様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2013-07-01 08:01)
最も日本人になじみのないアイルランド、なにか、地味な陰鬱な国というイメージを持っておりましたが、ダブリン近郊の電車は軽快で、風光明媚な海岸線も走っているとのこと。Cederさんのおかげで認識を変えました。英国の侵略に使われないように、あえて、16000mmゲージという広軌にしたと聞きましたが、車両のサイズは大きくないようで、車はがに股ですね。特にDLは目立ちますね。プッシュプルトレーンは雰囲気が大分変ってはおりますが、英国の鉄道の影響を受けているのでしょうね。 北アイルランドの鉄道もゲージは同じようですが、相互乗り入れはやっているのでしょうか?
by はーさん (2013-07-01 12:22)
■はーさん様
アイルランドは行った季節のせいもあり、爽やかな季節で快適でしたが、ひとたび日が陰るとコートが要る寒さでした。
北アイルランドとの国際列車は、ベルファストまでのインターシティが平日7往復、私も日帰りXボーダーしました。
by Cedar (2013-07-01 19:01)
★oomori様
★あるまーき様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2013-07-01 19:04)
アイルランドは未知の国ですが、どこか荒涼とした景色のイメージがあります。
この電車や沿線風景は結構日本人にも馴染める風景ですね。
南海or京阪色の吊り掛け電車、イイですね。
by Chitetsu (2013-07-01 22:14)
ダブリンはアイルランドでも南寄りなので割と穏やかな天気でした。
なにより人が素朴で親切です。アイリッシュとブリティッシュの差は台湾人と中国大陸人の違いに似てる気もします。
ダートは電車も沿線の雰囲気も、親しみが持てましたね。
by Cedar (2013-07-01 22:34)
■Chitetsu様
上のコメントは貴兄のコメントへの返信でございます。
失礼しました、ちょっと寄って酔ってます。
by Cedar (2013-07-01 22:37)
★モボ様
★フジトモ様
★oomori様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2013-07-01 23:56)
巨編、ありがとうございます。
この分岐の雰囲気は、おっしゃる通り阪急の石橋ですね。ホームの高さが高いので、ほんとうに日本の風景ではないかと思ってしまいます。(13)などは、もう大阪の私鉄そのままですね。おっと、Cedar様の術中に嵌ってしまいましたか…(笑)。
by のり (2013-07-02 07:13)
■のり様
術中に嵌っていただきありがとうございます(笑)
電車は関東風、線路と施設は関西風なダートでした。阪神くらいの全長なので、じっくり乗ったり撮ったりできました。
by Cedar (2013-07-02 07:56)
このページの写真のディーゼル機関車はアメリカのEMD(GM系)製ですね。パッと見はそうとは判りませんが、台車を見るとお判り頂けるかも?(12の写真は台車が見えないですけど)
電車を調べてみると、東急車輛の同系車にフランスのアルストーム製もあるそうです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Multiple_units_of_Ireland
by Junior (2013-07-02 12:33)
■junior様
流石アメリカ輸出DLフェチですね。
12の機関車は北アイルランドにも同じのが走ってました。
ダートのアルストーム製は数も少なく、今はリタイアしたらしいです。
by Cedar (2013-07-02 15:04)
★湘南ライナー9号様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2013-07-02 22:22)
★denta60様
★hanamura様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2013-07-03 21:45)
書き忘れ
コノリー駅の取ってつけたような配線、上野の高架線を思い出させます。
イギリス製でないのは、仲の悪い国の製品を買えるかという怒りと、イギリスが生産できなくなってるからではないでしょうか。
かなり前から、イギリス鉄道の車輌は自家生産になってましたから。
by なにわ (2013-07-05 18:24)
■なにわ様
コノリーの高架風景、Cedarにはやはり関西私鉄のどこかの駅を思ってしまうのですが・・・阪神御影とか、ですか。
イギリスvsアイルランド、ホントに仲悪いです・・。
そういえば最近のイギリスには日立製やスペイン製の電車がデビューしていますね。
by Cedar (2013-07-05 22:34)
★FTドルフィン様
★やまびこ3様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2013-07-05 22:35)