SSブログ

1998年6月 アイルランド滞在 (その3=ビール工場で発見したもの) [海外出張+空き時間鉄]

1998年6月のダブリン滞在のお話、3回目は予定変更でギネスビール本社訪問記です。この出張、実はギネスがらみの仕事でした。ダブリン21.JPG(1)
ギネスの本社はダブリンにあって、町を貫く高架線にも『THE HOME OF WORLD’S BIGGEST PINT』と大書されていました。黒ビールは幾つかあれど、広告の上手さもあってギネスはダントツの知名度を誇ってます。

日本人は『ギネスブック』のほうを思い出すかも・・・?

なにしろ、アイルランドでは朝食にハーフパイントのギネスが普通に出てくるくらいにポピュラー。アイリッシュブレックファースト.JPG(2)
コレがまた、美味いのなんのって~血の塊みたいなサラミ(右手前の黒いの)に特に合います。これぞ典型的アイリッシュブレックファースト。

クリーミーな泡まで味わい深く感じるのは、気候のせいか気分のせいか・・?

ダブリン29.JPG(3)
ギネスのおかげで、はるばるダブリンまで来られたわけですから、当然本社に表敬訪問しました。

その道すがら・・・石畳の道で発見したのは~
ダブリン23.JPG(4)

・・・ん?
ダブリン24.JPG(5)

んん?
ダブリン28.JPG(6)

んんん~!?おお~!
ダブリン27.JPG(7)

かつて工場の隅々まで張り巡らされていただろうと思われる線路の跡~このあたりなど、かなり複雑な線路配置だったことが偲ばれますね~こりゃすげえ~!しかもこの路面の感じは比較的最近まで走っていたと思わせます~。(調べてみたら1970年代まで現役だったようです)

ゲージはざっと計ったら500mmちょっと位ありました。

これぞインダストリアルレイルウェイ、工場の製品を川沿いの桟橋や、鉄道駅まで運んでいたのでしょうか。

イギリスの模型雑誌や実物サイトを見ると、この手の鉄道やその模型はそれなりに人気もあるようです。

実は嫌々だった表敬訪問~線路を見つけてしまったら俄然興味深々に変じてしまうのですから、Cedarも現金なものです。

どんな車両が走っていたのか・・・??と思わず広報の方に尋ねちゃおうと思ったら~

併設されたミュージアムにちゃんと展示されてました!

しかしひどい写真です。なにしろこの当時は『写るンです』しか持たずに海外出張してましたから・・・ダブリン25.JPG(8)

この写真では、さすがに皆様に失礼と思い、現地サイトをあれこれ検索したら、ありましたありました。

(9・10)なんともユニークな、焼き芋屋の屋台みたいなスタイルのSLです。ギネスSL.JPGギネスSL.15JPG.JPG
人間と比べてその小ささがわかりますね~

最大の特徴はボイラーの上にシリンダーが乗っかっていること。ボイラーに上に目玉よろしく見えてる丸いのがシリンダーです。
垂直になったメインロッドを前後に揺らしながら、工場の建物の中や石畳の併用軌道を走る姿はさぞかし~まさに路上の移動屋台ですね。


屋台と言えば、Cedarがガキの頃に<ピー>という水蒸気の音を出しながら町を流していた、煙管の修理をする『ラオ屋=漢字が分らない(恥)のですが、煙管の修理をする商売』の屋台を思い出します~
って、若い方には何のことかさっぱり分りませんね、この話は止めましょう。

この変こな機関車は、斜面に建つギネスの工場内で、ビールの原料や製品を急勾配の狭いトンネル(※)で運ぶために特別に設計されたようです。~いろいろ故事来歴の説明が書いてありましたが・・殆ど忘れてしまいました~何しろものぐさ+電車やCedarですから・・・

こんなときに便利なのはインターネット検索ですね。

訪問当時のズボラを補って余りある情報が簡単に手に入る、ものぐさ鉄には誠に有難い時代になったものです。

例えばCedarの関心事、線路配置はこんなだったようで~地下のスパイラル線(※)で高低差を補っていたという記述が納得できました~自分が撮った写真が何処なのか?じっくり検証してみようっと。
ギネス工場路線図.jpg(11)

構内には国鉄と同じ1600mmの線路も来ていました、
で、このへんてこな機関車は更にへんてこな芸を演じてたようです。ギネス工場SL.jpg(12)
親亀の背中に乗った小亀のようなこの姿~つまりナローゲージSL変じてブロードゲージSLにするためのアタッチメント(?)が用意されていたんです。ギネス工場SL02.jpg(13)
こうなると、鉄道車両じゃなく工場の機械部品って感じですね。でも面白い!

こんなにユニークなSLを見て大興奮しつつも、実は一部は電化されていて、小さな電機機関車や工員輸送用の電車があったら良かったのになぁ~
guinness.jpg(14)

などと、振舞っていただいたギネスを飲みつつ、しつこく思うCedarでありました。

では、今日はこの辺で。次は電車やらしく、DARTの沿線紹介に戻ります。


nice!(9)  コメント(19)  トラックバック(0) 

nice! 9

コメント 19

のり

暑いときには、やっぱり一杯
私も、黒ビールは結構好きです。
工場内の専用線、かなりすごいですね。こんなところで、複雑な配線の線路を見つけてしまいますと、胸踊りますね。模型ファンには、特にたまらないのではないでしょうか。
by のり (2013-06-29 13:54) 

hanamura

とりあえず、ビールと玉子とベーコン、ソーセージを買って来ました。
でも、・・・ん?んん?んんん~!?おお~!・・・あぁぁこの先どうすればイイのか分からない!・・・飲むしか出来ない!ぷはぁ!・・・うまい!
by hanamura (2013-06-29 15:53) 

常武鉄道

気になって調べてみましたら、漢字では「羅宇屋」と書くそうです。
私も子供の頃、靖国神社の鳥居の前で商売していたのを良く見かけました(^^)

工場内の専用線は、すごく緻密なネットワークですね!
ポイント切り替えは、運転手さんが自分でやるのでしょうか?
以前テレビで第一次大戦時のヨーロッパ戦線にて、前線の兵員・物資輸送に
同じ様なサイズの機関車が活躍するシーンを見ました。
そちらは、内燃機関で動く代物でしたが(^^;
by 常武鉄道 (2013-06-29 17:24) 

ひもブレーキ

数年前にこのギネスビール工場の専用線について調べたことがあります。ゲージは18インチ(508mm)です。工場からの運び出しの線路はアイルランドでスタンダードであった1600mmゲージになっています。シリンダーが上にあるのは、ビールの原料滓などが散乱している工場内で重要なシリンダーにダメージを与えないためと聞いています。また、トンネルになっている三重ループもあたったとか。また、ブロードゲージの路線には後にサドルタンク機が増備されています。その機関車は某保存鉄道で動態保存されています。
遅くなりましたが、「東武鉄道の蒸気機関車」今日入手しました。履歴や資料の出典なども詳しく書かれており、なかなか素晴しい本でした。これで1500円はなかなか良心的です。

by ひもブレーキ (2013-06-29 21:05) 

Cedar

■のり様
黒ビールの聖地にこんなユニークな鉄道が走っていたのは驚きです。
本文にも書きましたが非電化だったのはちょっぴり残念。
■hanamura様
そりゃ、やはり呑むしかないですよ!え?もうすでに出来上がってらっしゃる?すべてOKですね!
■常武鉄道様
>漢字では「羅宇屋」
ありがとうございます!
ポイントの切り替えはおそらく機関士の仕事でしょう。まさか電動式ではないでしょうし、閉塞装置など無いでしょうから。
■ひもブレーキ様
いろいろな情報、ありがとうございます。
路線図にも描かれている地下ループは3重だったのですね。
ループのあった場所は画像(7)の地下のあたりのようです。


★モボ様
★あるまーき様
★arail206様
nice!ありがとうございます



by Cedar (2013-06-29 22:19) 

なにわ

銚子のヤマサの工場の機関車、あれはDLでしたか。
環状線の電車を見ながら、ギネスが飲める店を知っておりますが、ギネスは冷えてなくても飲めるってことをご存じない方が多いのはなんともかんとも。日本人がビールに爽快感を求めているからなんでしょうが。
ま、一頃に比べると黒ビールやスタウトが国産で売られるようになったのは喜ばしいことです。
二昔前、新京極の古びた食堂でスタウトを飲んだときは、マシ29の車内もかくあらんと思っとりましたが。
by なにわ (2013-06-30 00:36) 

Cedar

■なにわ様
冷えたビールをうぐうぐぷは~!
というのとギネスとは別物ですね。
朝飯にハーフパイント、常温からちょっと低いくらいの温度で。
日本でやったらアル中と思われちゃいますが~
by Cedar (2013-06-30 09:20) 

ナロー犬

なんですかー この線路配置は!
なんで行き止まりでオメガループで帰ってくるわけですか!?
池島炭鉱もびっくり、コレってやっぱ模型化したくなりますわな・・・・
さて
昨夜はどうもありがとうございました!
次回をすでに楽しみにしております!
by ナロー犬 (2013-06-30 09:36) 

Cedar

■ナロー犬様
昨日は地鉄会(痴鉄会)お疲れでやんした。
大方の鉄はそうですが、Cedarも線路フェチでして~
海外の模型サイトなどにはこういうのの模型がいっぱい出てきますよ。

例えば~
http://www.carendt.com/index.html


by Cedar (2013-06-30 10:13) 

FTドルフィン

この機関車は
超〜カッコいいですね!(笑
そして
“アタッチメント” が
さらにカッコいい!!

牽引力があったのかちょっと心配になりますが
まだまだ知らない事が沢山あるんだなぁ〜
と、妙に謙虚な気分になりました!
ありがとうございます。

アイルランドの朝食
最高ですね!

by FTドルフィン (2013-06-30 11:12) 

KEY坊

おはようございます .. 。
(いや、もうお昼だし、遅ようございますだろうか ?)
アイリッシュブレックファースト、いいですねぇ〜 ♬
それに、黒ビール、堪りません !!
機関車と呼ぶより、これぞ、産業革命の汽罐車でファンタジック

by KEY坊 (2013-06-30 12:13) 

Cedar

■FTドルフィン様
この機関車があの工場内をゴソゴソ走り回ったり、自分の何倍もの大きさの国鉄貨車を牽く姿はユーモラスでしょうね。
アイルランド朝飯は癖になる美味さです、他に美味いものが無い国ですけど…。
■KEY坊様
おはようございます、今日我が家はアイリッシュブレックファーストならぬフレンチトーストでした。
インダストリーレイルはゲテモノの宝庫です。


by Cedar (2013-06-30 12:39) 

Tad

羅宇屋さん,1960年代の終り頃に本郷肴町の交差点で見たのが最後かな。ラオはキセルの火皿と吸い口(真鍮製が多かった。高級品は銀製)をつなぐ部分のことですけど,その材料がラオス産の竹だったのが語源とか。
ヤニで詰まったラオを交換するのが(火皿と吸い口の中もきれいにしますけど)羅宇屋さんの仕事でした。外して新しいのと挿げ替える時に,竹をあぶって“焼き嵌め”してたのを見た記憶があります。屋台が蒸気を上げていたのは洗浄用の蒸気と焼くための火が必要だったためですね。
キセルの両端は金物を使いますけど“中間にはカネを使わない”てのが,いまや死語になった「キセル乗車」の語源なのはご案内の通り。
そう云えば,無賃乗車を「サツマノカミ」ってのも死語ですね。平家の武将,平忠度(タダノリ)が薩摩守だった話からってのも,ここをご覧のメンバーなら百も承知,二百も合点でしょうが。

相変わらず関係ない話で失礼しました。そのついでですげ,ウチのバーサンはキセルでスパスパやってましたが,決して「タバコを吸う」とは云わなかったですよ。「タバコは呑む」もんで,自分のことも「煙草呑み」って云ってたっけ。
by Tad (2013-06-30 13:32) 

Cedar

■Tad様
本題とは関係なくも楽しい話ありがとうございました、
ギネス変じてキセル(笑)
煙管というのはモノも言葉も消えました、PASMOだとキセルは出来ないし、うちの祖母も「たばこのみ」でしたね。


by Cedar (2013-06-30 16:08) 

Cedar

★フジトモ様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2013-06-30 23:57) 

京葉帝都

かつてビデオでオーストリアでは標準軌のコキのような貨車にナローゲージの貨車を載せて運行していたのを観たことがありましたが、ナローの機関車が上に乗ってブロードゲージの牽引ユニットを動かすなんてまさに驚愕です。
ギネスビールは生が最高にうまいですね。
by 京葉帝都 (2013-07-01 00:40) 

railtruck

ギネスは22吋ゲージではないですか?

こちらの資料(次ページから)も詳しいかと思います。
http://1stclass.mylargescale.com/stevec/MLS-Topic-Article/GuinnessBreweryTram-1888.pdf
なお、最後の3ページはHorwich機関車工場(18吋ゲージ)の車両ですね。

ギネスの機関車はOナローで作りたいと思ってはいるのですが...。
by railtruck (2013-07-01 09:31) 

Cedar

■京葉帝都様
まさに子亀が親亀に乗って奮闘する感じですね。摩擦抵抗で只でさえ小さい牽引力がダウンしたでしょうね。
工場鉄道ならではの荒技です。
■railtruck様
ゲージ論争はおくとして、ユニークさは抜群ですね。
ぜひ模型化してギネスブックに掲載を!世界一精密なSLなんて~!

★あおたけ様
nice!ありがとうございます



by Cedar (2013-07-01 19:53) 

Cedar

★やまびこ3様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2013-07-03 22:35) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。