1998年6月 アイルランド滞在(その2=ダブリンの自由形電車?) [海外出張+空き時間鉄]
今から15年前の6月に、アイルランド共和国の首都ダブリンに1週間ほど滞在したことがあります。例によって仕事の合間を縫って、せっせと鉄したものでした。
国境を越え、イギリス領北アイルランドの首都べルファストまで往復したりしました(そのときの記事は→http://cedarben.blog.so-net.ne.jp/2010-11-23)。なんと2年半ぶりの続編です!
(1)
でも電車屋Cedarの関心はダート(DART)と呼ばれるダブリンの近郊電車でした。
話は変わりますが、昔の模型雑誌には『自由形』という模型記事がよくありました。
模型の主流である実物の精密スケールモデルに対して、実物の長さや軸配置を縮小して、簡単に模型にする(いわゆるデンカン=EB58とかの類ですね)のに始まったジャンルです。
発展形として、様々な車両の好みの部分を組み合わせて実物に無い車両の模型にする、実物には無い車種を模型として作る、更には全く独自の車両をデザインしてみる、或いは架空の鉄道を想定してその鉄道の車両を想定して作る~など自由形にもいろいろありました・・・
なんでこんな話を持ち出したのかと言いますと、ダブリンの電車を見たときの第一印象が『日本の自由形電車みたい!』と感じたからです。
(2)こんなデザインの電車です。
昭和40年代の模型雑誌によく製作記事が出てきた、ちょっとモダンなデザインの通勤電車、っていうイメージです。ちなみに製造初年は1985年で、以外に新しいんですね。
(3)
編成は2両で、最高4ユニット併結でも走っていました。ゲージは1600mmと広いですが、車体の大きさは日本の私鉄電車なみです。
いかにもヨーロッパらしいドームの駅の中にいると、日本風(?)なデザインが強調されている気がします。昔の南海難波や阪急梅田のムードを感じてしまうのは、関西私鉄オタクのCedarだからですかね?
(4)
もし、この電車が自由形模型として発表されたら、雑誌の記事にはこんな解説文がつきそうです・・・・
『京急700(初代)のような大窓にキハ35風の外吊り扉の組み合わせが新鮮な感じ(模型だと、あとからドアを貼り付けるだけで済み、工作が楽だから、という理由もあったらしい)、室内はクロスシート想定とのことである。前面は東急8000~8090を参考にして、塗装は京阪一般色に近い。Z形のパンタグラフも日本には見られないが外国の物を参考に自作している。前面のアンチクライマーを赤く塗るのも、日本の私鉄では例が無いが、模型の自由形ならではのアクセントとしてみた、とは作者S氏の弁』~なんて・・・
『車体はモダンですが、駆動方式は昔ながらの吊り掛け式』~これは実物の話です。
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(8)街中のホームがカーブした駅ですれ違う風景など、京阪のどこかの駅みたいだな・・・って思っちゃったのでした。
(9)
ダブリンの都心部にあり、東京なら神田か有楽町にあたるこの駅も、走ってる電車のせいで昭和の私鉄駅のように見えます。プッシュプル客車列車が通過すると、外国だなあ、と感じますけど。
最後は2000年代になって登場した新車と、『自由形電車』の今の姿を、現地のサイトから引用してご覧下さい。
(10)新車はこんなのです。4両ユニットになり、流行りの顔つきになりましたが、あいかわらず2ドアのままです。製造はなんとTOKYU CAR COMPANY!
(11)先代もリニューアル。4と同じ場所の2008年の画像です。新車に合わせて塗装変更と、電機品の更新もやったみたいです。
顔が東急8090に似てるので、さては先代も東急車輛製?いえいえ、こちらの製造はGE+リンケホフマン、アメリカとオランダの合作です。
電機品の更新はジーメンスが担当したので、京急ばりに『唄うVVVF』化されたかもしれませんね~
京急700のサイド+東急8090のお面+京急の唄うVVVF、だったら最高なんだけど~(笑)(12)
次回は『自由形電車』の走るダート(DART=Dublin Area Rapid Transit)の沿線風景をご紹介します。
不人気な外国ネタですが、ひき続きよろしくお願いします。
言われなければ、日本のどこか…と思い込んでしまいそうな写真ですね。しかも、少ぅしだけ昔の…。
大阪の私鉄ドーム駅、すっかり姿を消してしまいました。南海難波駅は、欧州の雰囲気を一番よく出していたと言われます。事実、友人からきた年賀状にあったコペンハーゲン中央駅ホームの写真に、思わず「これ、難波やん」と叫んだほどでした。
いわゆる「ドレミファインバータ」、楽しそうですね。本物を一度聞いて見たいものです。
by のり (2013-06-27 07:01)
Cedarさま、おはようございます!
(8)の写真、ほんまに中書島やん(爆)!?
by イヌリン (2013-06-27 07:42)
海外ネタ、好きです!
これは日本的ですね
車両形態もそうですが
車両とホームの関係(高さ)が
欧米らしくないですね。
面白いですね!!
by FTドルフィン (2013-06-27 10:26)
古い欧州の鉄道、特にU.Kやフランスのライドオンのホーム、興味があります。
ホームを降りたら、隣にタクシーやバスが停まってる ... 日本にもそんな発想と優しさがあってもいいのではと思います。
ピーターラビットの「ミス・ポター」の映画に出てくる駅も汽車も涙もの …>_<…
by KEY坊 (2013-06-27 11:22)
欧米合作の電車が日本風で、日本製の電車が欧風ってのが面白いですねぇ。
(8)の写真なんて、駅に阪神ジェットカーが停まっててもおかしくないっす。
で、Linke-Hofmannってドイツのメイカーじゃぁ・・・・
そうそう、”自由形っぽい繋がり”(って、何なの??)で、Cedarさんにネタ提供。
何となく三線式Oゲージで作ってもおかしくない電車です。
しかもP.E.関連でっせ!!(笑)
http://www.erha.org/rtag1948.htm
by Junior (2013-06-27 11:50)
イギリス鉄道の313系以降の電車(ってことはほぼ35年)がすべからく2ドア両開き固定クロスシートということからも、4ドア通勤形なんてのはロンドンの街中ぐらいしか不要なんでしょう。
4ドアといやあ、ドイツ鉄道のオリンピック電車420系ぐらいでしょうか。
by なにわ (2013-06-27 17:06)
ドーム屋根というと先頃廃止された梅田貨物駅の屋根が思い浮かびます。
東側の再開発地区と通り一つ挟んで廃墟の如く残っていますが、いつ取り壊されることやら・・・・。
by サットン (2013-06-27 19:41)
私がコメントし易い「昭和」や「映画」よりも、やっぱり海外ネタ!特に今回はファンが熱い気がします。
by hanamura (2013-06-27 20:13)
■のり様
おっしゃるっとりの『少ぅしだけ昔の…』関西私鉄って感じですね。
ドレミファインバータも更新が進んでいますので、お早めに京急へ~
■イヌリン様
でっしゃろ!そう見えるようにトリミングしてみました(爆)
■FTドルフィン様
イギリス流の高いホームは日本人に違和感がありませんね。大陸→アメリカの低いホームが外国のイメージですが。
■KEY坊様
ダブリンの長距離列車のターミナルでもホームにタクシーが入っているのを見て『おお~!』と思ったものでした。あの感じ、いいですね!
アイルランドも田舎の駅はなかなか風情がありました。
■Junior様
(8)の写真はそう見えるようにトリミングしてみましたあ~
でも、ホントに日本風な電車でした。リンケホフマンはドイツでしたね。
PEファンサイトの電車、PCCそっくりのサイドに、アメリカっぽくないお面がこれまた自由形っぽいです。
■なにわ様
日本の混雑はやはり異常ですね~アイリッシュが6扉車なんか見たら、笑い出すか怒り出すか、さてどちらでしょう?
■サットン様
梅田のドーム、伊丹からの梅田行き空港バスで何時も見ていたのに・・
保存される予定は無いのですかね。
■hanamura様
でも、外国モノはアクセスしてくださる方は少ないのですよ~。
皆さん優しくよろしく、お願いします。
★ フジトモ様
★モボ様
★いっぷく様
★あおたけ様
nice! ありがとうございます
by Cedar (2013-06-27 23:01)
親近感ある顔付ですね。
ダブリンは行ったことがございやせんが、彼の地の方々と電話会議をしたことがありました。 そもそも英会話なんぞは不得手なのですが、独特のイントネーションを聞き取るのにエラく難儀した覚えがございやす。
by nexus6 (2013-06-27 23:02)
★nexus6様
★ひでほ様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2013-06-27 23:03)
おお、食パン電車ですね。東急製はなんとなくアオガエルに見えますね。ダブリンにはアルストーム製のLRTが走っているようです。アイルランドの鉄道情報は日本には皆無のような・・・・・。
by EF510-230 (2013-06-27 23:09)
■nexus6様
電話会議~アレは苦手でした~!オージーやアイリッシュ訛りの英語はキビシイでしょうね。
標識や電車の方向幕が英語とゲール語のダブル表記になっていました、2つの言語は全く違うのですね。
by Cedar (2013-06-27 23:10)
Cedarさま
ホント、1枚目のカットをパッと見た時に京阪!?っと思ったぐらいです。
緑のツートンを全て京阪と判断する電関人は相当重症の京阪フェチ(笑)かも。
by 狂電関人 (2013-06-28 07:18)
■狂電関人様
緑のツートンはダートのシンボルカラーみたいですね。
そういえば、NYのアイルランド系も緑がシンボルカラーでした。
by Cedar (2013-06-28 15:53)
AVの洋物は好かんですが、こっちの洋物は大好きですよ
by なにわ (2013-06-28 18:07)
■EF510-230様
ヨーロッパの田舎と自他ともに認めるアイルランドですから、わざわざ鉄道情報の提供するひともいないでしょう。
■なにわ様
洋物は何かと大味でイカンです、でも電車は別ですね。
★あるまーき様
★oomori様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2013-06-28 22:05)
★ぷっぷく様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2013-06-29 05:38)
1600ミリゲージなのでちょっとそそられます。オーストラリアも鉄道黎明期にアイルランド人の技術者が指導したのか1600ミリの区間が相当残っています。アイルランドの規模の島国ならゲージは標準軌よりも広い分なら問題はなかったでしょう。
by 京葉帝都 (2013-07-01 00:53)
■京葉帝都様
1600mmは現在残るブロードではもっとも広いでしょうか?
断面の丸い客車では台車枠上面がホームから見えました。
ヨーロッパの軌間はいろいろな事情があるみたいです。
by Cedar (2013-07-01 19:11)
★arail206様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2013-07-03 21:40)
かなり軽快な印象の電車ですね。
屋根が浅いのがなんともお手軽な感じがしてきます。
でも2ドアクロスシートなのはヨーロッパですね。
by やまびこ3 (2013-07-03 21:52)
■やまびこ3様
全体の軽快さ=薄っぺらな感じが日本風自由形っぽいのかも知れませんね、2ドアクロスはヨーロッパ標準、日本みたいな多扉車はパリ・ロンドンクラスの大都市以外は無いですね。
by Cedar (2013-07-03 22:32)