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「地下鉄のザジ」は地下鉄に乗ったか? [映画・音楽]

前回のNY地下鉄のお話、予想外の好評(!?)にいい気になっているCedarです。

今日はパリの地下鉄ネタ。というか私が大好きなフランス映画地下鉄のザジ」のお話です。監督は「死刑台のエレベーター」のルイ・マル。

地下鉄のザジ07.jpg (1)イントロタイトルは、主人公の女の子ザジ(ZAZIE)の乗ったパリ行き列車の運転室展望映像が駅まで続きます。画像は下のURLで!

http://www.youtube.com/watch?v=77CvBf-Ikg8   

ブフリ式の流線型2D2電機の牽く客車や、ステンレス製の4扉国電が見られます。ちなみに乗って来た列車はSL牽引でした。

この映画を初めて観たのは、小学生の頃、フジTVで昼3時からやっていた「TV名画座」という番組でした。まずこのイントロでぶっ飛び、内容でぶっ飛び。いっぺんに大好きになった映画です。

 (2・3)駅に着くと一緒に来た母親(右)は、娘のザジ(左)を叔父のガブリエルに預け、恋人と消えてしまいます~地下鉄のザジ08.jpg地下鉄のザジ00.jpg この駅はどこなのでしょうか?パリもターミナルが幾つもありますね・・・

パリに来たザジの最大の目的はなんと「METROに乗ること」だったのですが、地下鉄はストで動かず

(4) (スト中)の札のかかった駅のシャッターを揺さぶったり、PDVD_007.jpg

(5)有名なアールヌーボー様式の入り口で泣き叫んだりしますが地下鉄は動かない・・・img_1515037_35482155_0.jpgPDVD_015.jpg (6)エッフェル塔の上からは確かにセーヌ川を渡る地下鉄が見えているのに・・(コレが単なるミスなのか、監督の遊びなのかはわかりませんが、初めて見たときから気になってたのですから、私も嫌なガキですね=主人公のザジと同じか?)。

(8)仕方なく車であちこち見て回ります。カラーの映像で捉えられたパリの町がすごくきれいです。地下鉄のザジ09.jpg地下鉄のザジ10.jpg 

この映画にはストーリーは特にありません、小生意気な田舎の女の子のパリ見物風景が、スラップスティックなギャグとともに展開して、後半は謎の人物(名前がトルースカイョン!)とのドタバタ追っかけっこが展開します。それにしてもカラーがすごくきれいです。※

 (※不思議なことに、TVで初めて見たときは当然モノクロ放送だったのに、確かにこの色が見えていた記憶があるのですね~)

(9・10)背景に次々出てくるパリの観光名所も目が離せません。地下鉄のザジ11jpg.jpg地下鉄のザジ12jpg..jpg 

地下鉄のザジ.jpg(11) この観光バスはかっこいい!シトロエン製とか・・この映画、鉄分ははじめとラスト以外は皆無ですが、クルマ(欧州車)好きには色々楽しめること請け合いです。

さらに時間がたつと、周りの大人たちまで大暴走してしまい、どんどんシュールな展開になります。~何しろ原作がシュールレアリズムの作家レイモン・クノーですから。ちなみにこの作品、映像化不可能といわれていたらしいです。

(12~14)説明不能なギャグが、めちゃくちゃおしゃれな映像で繰り出されます。地下鉄のザジコラージュ03R.jpg

詳細は省きますが、クレージーなひと夜に色々な出来事があって、ザジは結局地下鉄には乗れず(実際には乗ったのですが、疲れて爆睡していて記憶が無い!)、再び乗ってきた列車でパリを離れていきます。

地下鉄のザジ14.jpg(15)パリはどうだった?と母親に聞かれ「歳をとったわ」といいながら・・

というような映画なんですが・・・・この文章では何がなんだかさっぱり分らないですよね。

とにかく お洒落で、きれいで、面白い!

百聞や一見にしかず、というしかありません(紹介になってません、スミマセン)。

我が家にはVHS地下鉄のザジDVD.jpgがあるのですが、DVDももちろん出ています。 

 


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コメント 16

manamana

説明不能のギャグ、
クレージーなひと夜、
おしゃれで、きれいで、面白い!
タイトルを知っている程度でしたが、
これは、見ないといけないですね。
by manamana (2011-05-21 06:31) 

hanamura

父も好きで、面白いと言っていました。
見るのが一番ですね。クルマも見たいし!
by hanamura (2011-05-21 08:29) 

猫ムササビ

 全体的に丸みを帯びたデザインがなんと表情豊かなことでしょう。戦後のパリはまだまだアメ車が多く闊歩していたようですが、おなじみルノーやパナールといった大衆車やシトロエンの商用車などが見られて欧州車好きにはたまらない景色です。エッフェル塔下の観光バスは幼少期に何かの図鑑に載っていたあこがれのクルマでした。やっぱり先進的なシトロエンだったんですね。映画の背景になったメトロのストに感謝しなければなりません。
by 猫ムササビ (2011-05-21 20:49) 

Soda

Aトレインの次はザジですか。この流れの裏に何か作為的なものを感じますが、それって単なる私の思いすごしでしょうか。猫ムサさんが陰でニヤついているような気がしてなりませんが・・・。
それにしてもザジを鉄ネタにしょうなんて考えるのは貴兄くらいのものでしょう。正直鉄ネタブログにザジが登場するとは思いもしませんでした。しかしタイトルは確かに「地下鉄のザジ」しかし地下鉄は出てきません。閉まったシャッターをゆさぶりながら「地下鉄、地下鉄!」と叫ぶシーンが唯一地下鉄との接点と言えるでしょうか。徐々にエスカレートするシュールな展開に最後は兵士まで出てきてマシンガンをぶっ放すのではなかったかしら。何度か観た映画ですがエンディングがどうだったかイマイチ曖昧。よく覚えていません。好きなシーンはザジとガブリエルがムール貝を食べるシーン。おシャレでヘンな映画ですが、大好きです。

PS 猫ムサさんに先を越されてしまいました。


by Soda (2011-05-21 21:14) 

Junior


スティル写真は見た事あるけど、映画自体は見た事がないです。

で、NYの次がパリとくれば、次はロンドンの地下鉄っすか?

それも兎も角、パリの地下鉄の入口はちゃんとデザインされてるんですよね。NYにしてもそう言えばそうだし。
現代の日本みたいに味も素っ気もないのと違って、何か文化を感じたりするのです。


先日の質問ですが、はい、ペンシーの蒸気機関車S-1とかT-1がそうですね。
GG-1はリヴェット・ゴツゴツでブリキのタンクみたいなの(
http://www.northeast.railfan.net/images/tr_prr4800.jpg)をリヴェットなしにして滑らかな車体(http://www.northeast.railfan.net/images/njt4877a.jpg)にリデザインしたらしいです。
by Junior (2011-05-21 21:48) 

のり

恥ずかしながら、この映画存じませんでした。
鉄道の映画といえば、イタリアの古い映画「鉄道員」を想い出します。
家内に言わせれば「暗い」らしいのですが・・・。
by のり (2011-05-21 22:34) 

Cedar

皆様、鉄ブログなのに脱線転覆してしまい、誠にすみません~
■manamana様
この映画はお勧めです。っいうかこの頃のフランス映画は、POPな感覚があふれているのが多いです。
■hanamura様
お父様がこの映画がお好き!~何というセンスのよさでしょう。
何卒よろしくお伝えくださいませ。
■猫ムササビ様
やはり即レス!さすがであります。この映画のクルマは鉄馬鹿の私でも印象的でした。ザジがオートルート(フランスの高速ですね)でオープンカーを運転するシーンまでありますから!、走りながら導火線のついた爆弾の投げ合いですから!
■Soda様
作為的というより確信犯ですね(笑)。
私にとってこれも立派な鉄ネタですぜ(でも最初に謝っちゃっていますが)。
この映画のイントロとラストの列車の主観移動は印象的でしたし、地下鉄の高架線や駅の入り口のデザインにもすごく惹かれました。
>最後は兵士まで出てきてマシンガンをぶっ放すのではなかったかしら。
>エンディングがどうだったか
最後はめちゃくちゃレストランの大乱闘から独裁者率いるマシンガン部隊の登場でみんなレストランの地下に逃げると、そこが地下鉄駅につながっていて、ちょうどスト回避で動き出した地下鉄に乗って、ザジの母の待つ駅に向かうのでした。(このときにはザジは眠っていて何も覚えていない、地下鉄に乗ったことすら~という顛末)
■Junior様
地下鉄シリーズ(?)はここまでです。
おっしゃるように地下鉄が都市文化の最先端だった時代の駅には、デザインがありましたね。パリのアールヌーボー様式の入り口や、NYのモザイクタイルはいいですね。日本にもそういうのはあったのに、みんな消えてしまいました。
■のり様
>恥ずかしながら、この映画存じませんでした。
いえいえ、至ってマニアックな映画ですからご存知無いのは当たり前です。

「鉄道員」は有名な作品で、もちろん私も見ました。暗いというより、イタリア映画らしい家族映画、ということですね。


by Cedar (2011-05-22 00:03) 

Cedar

★nd502様
★maipenrai様
★む〜さん様
★とる子様
★gorosan5670様
★やまびこ3様
nice!ありがとうございます。

by Cedar (2011-05-22 00:06) 

Tosi

冒頭の駅はオーステルリッツ駅(la gare d'Austerlitz)でしょう。原作者クノーはたしかアンドレ・ブルトンの最初の妻の従兄弟だったと思います。この作品は原作も映画も大人気でしたが、たしかにシュルレアリスムの手法がいたるところにみられます。さらに、エクトール・ギマールのメトロの入り口、蚤の市、パサージュといった舞台背景もシュルレアリスト好みですね。パリは東京に比べれば変化は少ないかもしれませんが、第五共和制の始めごろにあたるこの時代の雰囲気はさすがに現在では失われてしまいましたね。

by Tosi (2011-05-22 01:48) 

Tosi

失礼しました。ウィキペディアのSimone Bretonの項目によると、従兄弟ではなく義弟みたいですね。
それから、私の記憶では、この映画には、廃止前のパリ環状鉄道線(La ligne de Petite Ceinture de Paris)の駅が背景に使われた場面があったように思います。
by Tosi (2011-05-22 02:58) 

Cedar

■Tosi様
ご丁寧なご教授ありがとうございます。ギマールの地下鉄入り口はいいですね。鉄を使ってあの柔らかな曲線を作るのがアール・ヌーボーということでしょうか。
パリ環状鉄道の一部には新形のトラムがが走り出しているようです。
by Cedar (2011-05-22 09:43) 

Cedar

★boomie様
nice!ありがとうございます。
by Cedar (2011-05-22 09:44) 

Cedar

★ぼんぼちぼちぼち様
nice!ありがとうございます


by Cedar (2011-05-22 17:35) 

Cedar

★FTドルフィン様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2011-05-23 00:14) 

gop

遅ればせながら。
「Zazie dans le metro 」一昨年、再上映してましたね。
http://www.zaziefilms.com/zazie/

シトロエンの観光バスはこちら。
http://www.carthrottle.com/citroen-u55-cityrama-currus/

by gop (2011-05-23 17:47) 

Cedar

■gop様
再上映の時のデジタルリマスター版の色彩はスゴーくきれいだった!
我が家のVFSではそろそろアカンですね。
by Cedar (2011-05-23 23:07) 

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