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台湾鉄路90's(恋々風塵の平渓線・その1) [外国鉄写真(昔)]

~いつも愛読させていただいているYさまの台湾訪問記事に刺激されて、今から17~8年前の台湾のお話をいたします。

 題しまして  台湾鉄路90's   思い出深い台湾の画像を、何回かご覧に入れてまいります。

最初は北台湾のローカル線、平渓線(ピンシイシェン)です。。私の好きな台湾映画『恋々風塵』 ~非情城市で有名になった候孝賢(ホゥ・シャオシェン)監督の初期の作品~の舞台になった山間路線です。

平渓線十分運炭車.jpg

 

平渓線は、台北と花蓮を結ぶ宜蘭線(イーランシェン)の小駅三貂嶺(サンチャオリン)を起点に、山に分け入る運炭鉄道として建設されましたが、この頃から、台北からの日帰り観光路線となりつつありました。

運行上の起点は瑞芳(ジュイファン)駅、谷あいの駅は、平日はゆったりとした感じでした。映画『非情城市』のロケ地九も、この駅から入るのですが、まだ大ブームになる前でした。瑞芳貨物列車02.jpg平渓線瑞芳ホーム.jpg

平渓線01瑞芳ホームパノラマ.jpg平渓線DC車内.jpg

瑞芳を出発した藍色の気動車は渓谷に沿って走り、山陰本線の保津峡に似た雰囲気の分岐駅、三貂嶺で上り列車と交換して平渓線に入ります。途中にはトンネルや滝もあり、炭鉱線にしては景色の良い沿線です。

平渓線サンチャオリン交換DC.jpg

そして到着したのが十分(シーフェン)。この駅近くにも炭鉱があり、当時はまだ操業中でした。近年は観光拠点として賑わっているようですが、当時はまだ田舎町の風情・・。

平渓線DC運転台.jpg平渓線十分下り到着jpg.jpg

十分の構内は、昭和30~40年代の日本のローカル線のムードそのものでした。周囲の建物は台湾風ですが、鉄道施設や車輌は、日本のそれと全然違和感がありません。レールで組まれたホーム上屋、ポイントレバーや転換標識、腕木式信号機・・・・学生時代に行った九州の炭鉱支線を思い出しました。

平渓線十分全景.jpg平渓線十分駅入り口全景jpg.jpg平渓線十分DC到着jpg.jpg

そんな平渓線ですが、いちばん違いを感じたのは、貨車への石炭積み込み風景でした。働いているのは欧巴桑(オバサン=台湾にはこういう日本語が現地語化して残っています)ばかりなのです。観光地化が進行し『森林浴』などと書かれた看板の横での石炭積み込み作業・・・・なんだかなあ、と思ったものでした。平渓線十分運炭車.積み込み施設jpg.jpg平渓線十分運炭車人力入換え02.jpg

更に驚いたのは、この駅には入換え用のスイッチャーが配置されていない、入換えは全てマンパワー(欧巴桑だからウーマンパワーですか)・・・

平渓線十分運炭車人力入換え.jpg この欧吉桑(オジサン)は現場監督らしい。『シャシン、トレ』と指示されてしまいました。平渓線十分運炭車入換え.jpg

映画『恋々風塵』では、この駅近くの炭鉱住宅に住む幼馴染みの少年と少女が、中学を卒業して台北に働きに行き、様々な苦労を経て、少年だけが故郷に帰ってくる。というストーリーが、陰影のある映像で描かれます。藍色の気動車や宜蘭線の列車も印象的に登場します。

平渓線十分駅入り口+猫jpg.jpg

最近では炭鉱も姿を消して、十分は台北からの観光客で賑わっているようです。

次回は、終点から上り列車に乗車した時の画像を中心に見ていただきます。  

                              (1992年~93年撮影)


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suzuran6

キハ22似のディーゼル、セキ3000似のホッパー車、ここは日本の私鉄です。
と言い切って貰えばまったくそのままですね。
手で貨車を押して入替え作業は、私は小学校の頃、札幌で目撃しています‥、しかし石炭満載は重たいでしょうね。
by suzuran6 (2010-05-09 15:03) 

やまびこ3

こんにちは
私がはじめて台湾にいったのは89年でした。このころは平渓線に石炭列車が知っていたのですね。このとき、台北から蘇澳新站まで自強号、乗り換えた蘇澳までの連絡列車が記事にあったようなキハでした。その後、蘇花公路の断崖絶壁をバスでぬけたのがいい思い出です。
Cedarさんのように写真がすぐ出てくるといいのですが。

貨車を人力で押すのは小樽あたりで1回だけ見たことがあります。北海道では馬で牽くこともありましたね。
by やまびこ3 (2010-05-09 15:21) 

Cedar

suzuran6様
台湾の鉄道は日本の国鉄(私鉄)に似ています。台北や高雄のMTRだけは欧米のにおいがしますが・・。台鉄の年配の職員の顔つき、服装もJNR(JRではない)そのものでした。
by Cedar (2010-05-10 13:10) 

Cedar

やまびこ3様
勝手にスピンオフ企画を始めてしまい、申し訳ございません。
蘇花公路のバスに乗られたとは凄いですね、憧れていたのに、ついに乗るチャンスがありませんでした。
台湾の写真は結構あるので<台湾鉄路90's>シリーズとして、何回かUPしていこうかと思います。よろしく御願いいたします。
by Cedar (2010-05-10 13:15) 

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