続・チャンユー映画の鉄シーン（狂った果実）

前回の「錆びたナイフ」に続いては～
チャンユーの事実上初主演作=1957（昭和32）年の「狂った果実」

（1~3）
湘南の夏の若者の生態を描く～原作・脚本と製作は「錆びたナイフ」と同じコンビ。

・・・・実は鉄シーンはホンの少しです・・
それでも宜しければ・・・

映画の冒頭はいきなり鎌倉駅、もちろん懐かしい旧駅舎。（4）
（5）
主人公のチンピラワカゾー2人は、切符買わずに集札口から無札で逆浸入～昔の列車駅には降車口ってのがありましたねえ。



（6・7）無札のくせに2等車サロ75へ～まだ3等級の時代です。


チャンユー扮する鎌倉の金持ち不良学生とその弟、津川雅彦（若い！）の兄弟を軸に、日本の現状への不満や体制への疑問を口にしつつ、結局は甘えて生きてる金持ちボンボンたちのご乱行

（8）
当時の言葉で言えば「無軌道な青春」をリゾートの風景をバックに描くってのは、地中海の別荘地で退廃的なバカンスを過ごす若者が出てくるイタリア映画やフランス映画に似ていますね。

（9・10）例えばこういうの＝実は高校のころ、結構嵌ったんです～音楽も好きでした！
カトリーヌ・スパーク可愛い！

~ ってか、実際はこの映画がお手本になってるらしい
＝日活すげえじゃん！
あ、監督はCedarオキニのひとり、中平康です。

（11）中平作品は前にも記事にしています。
（月曜日のユカ→）鉄分少ない
（当たりや大将→）鉄分タップリ！

イタリアやフランス映画だと、出てくる汽車はリヴィエラ海岸を行く列車ですが、狭い日本のリゾートラインはやっぱり横須賀線です。


（12）

チャンユー兄弟はトンネル抜けて逗子へ～

（13・14）逗子駅の跨線橋で、弟くんが謎の美女北原三枝を見初めます。
（15）この降車口も、なんとなく記憶にあります。

映画は全編チャンユーとそのお仲間のご乱行の描写です。ヨット・水上スキー・クルマ・別荘での乱稚気騒ぎ～

（16~19）
こういうお膳立ては日活映画のお得意でしたね。
今や豊洲モンダイの渦中のあの爺の原作と思うとなんとも気に入らないですが、主演が弟なんで仕方ない（前と同じ）です。

再び鎌倉駅

（20）入線してくる70系や側線の貨物列車についつい目が行きます。

（21）鎌倉駅にも立派な貨物側線があったんですね。

（22）昔の逗子駅舎の遠景や、


（23~25）由比ガ浜の江ノ電もチラッと登場します。

ポールをかざして踏切を横切っていくのは100形の単行。晩年タンコロなんて恥ずかしい渾名で呼ばれてましたね。。

ま、鉄シーンといえばこんなものですかね（爆）。

「太陽がいっぱい」とか「狂ったバカンス」とかのヨーロッパモノの気分で見ると、主人公たちの言葉使いが下町のチンピラみたいだったりが気になりますが、スタイリッシュな映像は中平監督ならでは〜

（26）

例えば一つのシークエンスのラストに気の利いたオチがきて、そのままブラックアウトして次のシーンにつなぐテクニックはフランスネーヴェルバーグなどにもみられます。
（27・28）みんな勝手に酒を注文し、岡田真澄を日本語の出来ない外人だと思ったボーイが英語でオーダー取ると
「焼酎ある？」とベタに応じる。

後の香港ノワールなんかにもこんなシーンがあったような・・


ヨットに無理矢理載せられた北原美枝の落としたラジオが、桟橋で鳴り続けるカットもヌーベルバーグっぽい。
（29）

おっと、鉄シーンが少ないとついつい映画コメントしちまったい！

ラストシーンの不条理な展開や映像もヨーロッパ映画みたいです

（30~33）
～松竹や東宝じゃあ、まずない（会社が許可しない）でしょうね。
新東宝か日活ならでは。

なんてところで、鉄分少なめで、どうもスイマセン。

（34）




ではまた。

コメント 18

★やまびこ3様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2016-10-17 23:57) 

★芝浦鉄親父様
★hanamura様
nice!ありがとうございます

by Cedar (2016-10-18 09:12) 

いい時代ですねえ。サロ７５・・・・４２なんて走っていたらうはうはです。
時代的にスカ７０時代は幼少期。モハ３２（クモハ１４）のスカも乗ってみたい。富士急じゃあちんたらでいまいち。
スカ、東海道では、４２や５１なんかは飯田の廃車回送・・・７０は新前橋の廃車回送なんぞで、特に７０は北鎌倉で撮影したんですが４連だし間がぬけた写真、逗子での１１３との並びは自連変換つけててばればれだし、やっぱスカ線の旧国時代、体験したかったです。
４２はスカは無理でしたが、２連に入り、宇部時代に下関行で山陽の爆走には感動しました。テイチクで出ている下関からの山陽線回送ＤＶＤも、爆走するところがあっていいですよ。

そういえば市川の鬼駅近くの博物館にデキ３が展示・・・へんな色なんでいってみたいモードです。金曜、国府台病院肝臓内科の日なんで帰りによってみようかな？

小生、育ちが悪くて、鎌倉なんておよびでないですね。失礼しました。
by ひでほ (2016-10-18 16:46) 

「ホッピーの中（なか）お代わり！」
って、ホッピーは無い時代でしょうか？無いですね。
2016：東宝、松竹、日本映画の興行成績が、スゴイらしいですね！
話題の特撮も、話題のアニメも、見る！私なんです。
アニメの方は【鉄】でも、有名な監督ですよ！
by hanamura (2016-10-18 19:34) 

■ひでほ様
スカ形一党は旧国ファンはいろいろの思い出があるようです。
70系時代のスカ線、ガキのころ何度か乗ったことはありますが、横浜か川崎（当時は東海道線は通過）まででしたね。
市川の博物館にデキ3って、あの銚子のですか？
■hanamura様
ホッピーは結構昔からあるようです、一度廃れたのを今の女社長が復活させたとか・・・
＞話題の特撮も、話題のアニメも、見る！私なんです。
はい、私も観ました（アニメの方の監督はチラッと面識も・・・）。
ブログに取り上げようか迷ってました。


★モボ様
★schnitzer様
★AKI様
★あるまーき様
nice!ありがとうございます





by Cedar (2016-10-18 20:08) 

3等制は、さすがに記憶にありません。
そうか
この年は、私が産まれた年でした。

岡田真澄に焼酎と言わせるなんざ
ギャップを狙ったのですね。
by 八犬伝 (2016-10-18 21:54) 

狂った果実より奇妙な果実、錆びたナイフよりマック・ザ・ナイフな人間にはコメが難しいのですが・・
鎌倉が懐かしいですね。当時の鎌倉は島式ホームの両側に2、3線ずつ貨物側線がある構造だったと記憶しています。
by シグ鉄 (2016-10-18 21:55) 

■八犬伝様
Cedarも3等制は記憶には無いです。
この映画、ストーリーよりも映像センスに見るべき物があります。
■シグ鉄様
難しいコメ、ありがとうございます。
狂った果実より狂ったバカンスなニンゲンですから公開当時の人気は知らないのです、だって幼稚園児ですもの・・・
鎌倉に貨物側線、やはりありましたか・・・。

★nd502様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2016-10-18 22:07) 

★keizzo様
★arail206様
nice!ありがとうございます

by Cedar (2016-10-18 23:28) 

★あおたけ様
★はじめてのDORAKEN様
nice!ありがとうございます




by Cedar (2016-10-19 08:27) 

★シュウチャン様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2016-10-19 16:55) 

Cedarさん、再びこんばんは
そうです。あのデキ３です。本日行ってきました。
弊ブログにＵＰしましたので、よかったらご覧ください。
by ひでほ (2016-10-19 18:10) 

◾️ひでほ様
早速ブログ拝見しました。
なんだかレプリカみたいな色で、やはり営業線の片隅に止まってた方がいいですね。
鬼越が最寄駅なら母親の所に行ったついでに寄ってみます。
情報ありがとうございました。
by Cedar (2016-10-19 20:35) 

★gardenwalker様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2016-10-19 22:20) 

★ぷっぷく様
★しおつ様
nice!ありがとうございます


by Cedar (2016-10-20 00:06) 

★ぼんぼちぼちぼち様
★sonic様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2016-10-20 14:23) 

★ネオ・アッキー様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2016-10-20 23:09) 

★hideta-o様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2016-10-22 18:29)