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『風立ちぬ』の乗り物画像~その2 [映画・音楽]

昨年公開されたジブリ映画『風立ちぬ』から鉄(乗り物)なシーンをキャプチャーした、暇人ならではのいまさら企画の2回目です。
幼い頃からの飛行機好きの主人公のクロニクルであるこの映画・・
プレーン01.JPG
07.JPG
(1・2)少年時代の夢飛行機にはじまり、随所に登場してきます~そんなわけで今回は飛行機>鉄になってますから・・そもそもそういう映画です。
飛行機好き少年は夢が叶い、成人して名古屋にある飛行機製造所に奉職。
映画の後半はそこでの仕事の日々が描かれます・・。
Cedarは飛行機には詳しくないですが、この映画の主題でもあるので、印象に残ったシーンをひとつだけ。
後半05.JPG(3)
牛車&エアプレーン、日本だなあ。
同じ頃、地下鉄の新造車が牛に引かれていく写真を見たことがあるような〜。

時代の最先端を行く飛行機産業~今なら情報IT企業でしょうか?~の社員も場末の寮まで市電で通勤、鉄ブログらしくしつこく見せちゃいます。
(4~7)
後半06.JPG後半07.JPG
327号という車号、14という系統番号、実在したのかなぁ〜。
後半08.JPG
独身寮のある場末の町風情、なかなかいい感じです。後半09.JPG
Cedarが訪ねた昭和40年代の名古屋には、映画に描かれたそんな雰囲気がほんのり残っていましたね・・
(※1=市電下之一色線、荒子
下之一色線12.JPGnagoya02.JPG
(※2=名鉄瀬戸線、矢田〜大曽根
後半11.JPG(8)
こんなシーンも出てきます。Cedarには、ここ(↑)がここ(↓)に見えちゃう。瀬戸矢田川貨物.jpg
(※3=瀬戸線矢田川橋りょう


さらに主人公は憧れのドイツ=当時の飛行機先進国へ。
後半12.JPG(9)
遠くを走ってるロコの足回りがきちんと赤い
資料があるから当たり前じゃん!と仰るでしょうが、どっこいそうでもない映画は多いです。

ドイツでは当時最先端を行っていたユンカーズの旅客機を見学したり〜今で言う研修出張〜主人公はエリートなんですね!
後半13.JPG(10)後半14.JPG(11)
ユンカーズ独特のカタチ、ガキ時分によく見ていた『航空ファン』『航空情報』で見た記憶があります
そう、小学生くらいの頃、友人の影響やプラモデルブームなどを受けて、Cedarも飛行機(特に軍用機)にも興味持ったりしたのでした。


ついでに言えば、主人公のアイドル=イタリア人飛行機設計家、カプローニの名前も、Cedarはガキ時分に記憶に残っていました。

カプローニ05.JPG(12)
カプローニ03.JPG(13)カプローニ04.JPG(※4)カプローニ02.JPG(14)
初期のカプロー二の飛行機はユンカーズとは全く異なる(時代も違うんですが)ユニークなデザイン、なかでも『90形超重爆』は強烈な印象でした。

って、知ったかぶりしても、飛行機話はボロが出そうなんでこれまで!


ドイツでのくだりではSLは出てくるのですが、Cedarのお目当て路面電車が出てこない!残念!
(15・16)
後半16.JPG後半17.JPG

(17=これは、夢の中のシーン。)後半15.JPG





海外出張のときめく日々から、名古屋の日常への移動はなかなか鮮やかな映像言語・・
なんですが、鉄ブログなんで説明しません。
(18・19)
後半18.JPG後半19.JPG
当時の空母なんぞも出てきますが、そっちのマニアには痺れもの?


洋行帰りでますます輝く主人公の暮らし。エリート技師らしく軽井沢への避暑にも出かけます。

後半20.JPG(20)
アプトのEC40(映画の時代は旧形式ですね)も陽炎の中から印象的に当時します。
後半21.JPG(21)
これはちょっとオーバーイメージでしたが…。

碓井橋を行くシーン、ピフという形式の歯車制動車もきちんと描かれています。

後半22.JPG(22)

飛行機以外の表現も手抜きしてないのが鉄には嬉しい。
(23)ホテルの名前にもニンマリしちゃいました。後半23.JPG
カルメン34.JPG
(※5=画像はこの映画とは全く関係ありません)
この軽井沢で主人公は飛行機以外にもうひとつ、大事なものと出会います。

公私とも順風満帆、と、思われた或る日の職場。
後半25.JPG
(24)ここには、市電では行けなかった、という読者の方のコメもありますが…。
後半26.JPG(25)
婚約者喀血の知らせに受けて、『驛本』までバス、そして飛び乗った東京行きの列車。
牽引機は・・またしても??
後半27.JPG(26)
後半28.JPG(27)
オハ31系(青帯なのでオロ30?)風の客車、台車は明治期の雑形客車風です。
格下げられて形式も変わっていた姿を父がキャッチしてました。
大磯02R.jpg
(※6=大磯

(28)東京西郊の婚約者の家へ向かう・・・後半29.JPG
この電車なら、行き先は稲田登戸が正解ですね。
しかもなぜか右側通行~インタアーバンか?
後半30.JPG(29)

後半10.JPG(※7=海老名?後半31.JPG(30)
ここいらは・・・まあ幻の電車ということで・・
でも昭和の近郊住宅地のムードはなかなかなんです。さすがジブリ!

このあと、世界をめぐる時代も生活も、、主人公の思いと関係無い『力』によって変化していく・・
以下、鉄絡みのシーンのみを淡々と見ていただきます。
(31~35)
後半32.JPG後半33.JPG後半34.JPG後半35.JPG後半36.JPG
このあたりに漂う『無常感』や、『大きな力がもたらした結果』についての描き方は、公開当時いろいろな論評もあったし、鉄ブログごときが四の五の言うべきじゃないです。

この映画の寡黙さ〜特に後半ですが〜のせいで『よく分からない』という評価になるのは間違ってますね!
なんでもセリフで説明する最近の日本映画(と想像力皆無の観客)がひどいんです。
おっと、また映画評論しちゃった。

話変わってむかーし昔、ガキの頃に『陸と海と空』ってTV番組がありまして、自作の模型を持ってきて自慢する、という、プラモデルのマルサン提供の番組・・後半39.JPG(36)
この映画を見ていて、唐突になぜかその番組を思い出したCedar=飛行機以外にも色んな乗り物が次々出てきて、とかく言われてた武器礼賛とかは忘れて楽しめちゃいました。

このテーマ曲だって『反則だぁ』って思うくらい、良かったし!レコード.JPG

そういう態度が宮崎監督の思いとはちょっと違うのは分かってますけど。
(監督が『今作らないといけない、と思った』と言ったこととか・・)


その話はここではしたくないので…。
後半40.JPG後半41.JPG後半42.JPG
(37~39)

長くなりました。
ではまた。
後半43.JPG(40)






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nice! 19

コメント 15

Cedar

★hanamura様
★あるまーき様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2014-10-24 07:36) 

のり

映画は見ていないのですが…、楽しませていただきました。
実話を元にしたフィクションは、時代設定や細部に無理が生じても、限りなくそれに近づけることで、なんとかなりそうな説得力を持つように感じます。
最近のNHK朝ドラも、細部にかなり凝るようになってきています。そのロケ地がまた観光地になったりしますから、地元も力を入れるのでしょう。
by のり (2014-10-24 07:48) 

EF510-230

細かいことですが、2段窓の客車はいけませんね。
by EF510-230 (2014-10-24 09:14) 

Chitetsu

おお、飛行機の部来ましね!
自分も飛行機のことは良く分かりませんが、興味はあるので巷での批評とは別の観点で楽しめました。
ただ、建物や飛行機に比べると車両の描写レベルに差がある気がするのは飛行機のこととかを知らないからなのか良く分かりません。
まあ、いいか・・。
by Chitetsu (2014-10-24 12:10) 

なにわ

あえて艦、航空機に関してはスルーしておきます。
と言いながら、実際は零式艦上戦闘機の時代になっても、大江の工場から各務原の飛行場まで、牛が牽引する荷車で運んでたのです。

名古屋市電の系統が仮名から数字に変わったのは1938年12月ですから、映画後半のメイン、九六式艦上戦闘機は量産体制に入り、後継の零戦の設計に入っていた時代です。それに戦時中までの名古屋市の系統板は円形ですから、これは東京市電を参考にしてますね。
名航に出勤するには映画の頃は、付け替え前の市電の終点(現在の国道23号線の竜宮町交差点辺り?)から歩いたのでしょうか。あるいは名鉄の道徳から歩いたのか。安全地帯が複線の真ん中にあるのはさすがに・・・ですけれど。

(15)(16)(17)の蒸気機関車、ヴェルテンブルクのCこと18-100に思えるのですが、これが走っていたのは南ドイツ、ユンカース社があったのはアンハルト(旧東ドイツ)だけに・・・
あ、機関車の次に荷物車がいるのは、事故対策だったそうです。
by なにわ (2014-10-24 13:56) 

Cedar

■のり様
アニメ映画に出てくる場所は、いくつかの場所のイメージが合成されていることが多いので、実写ドラマみたいにロケ地が観光地化することは、なかなかないですね。(最近は『けいおん』とか、ほかにもいくつかありますが)
NHK朝ドラや大河ドラマは昔から地域振興に貢献してきました、ただブームが去った後が哀しい・・・
■EF510‐230様
ほかにもいっぱいツッコミところがありますが・・それをあげつらう記事を書きたいわけではないのです。そういうブログやHPもあるらしいですね。
■Chitetsu様
>巷での批評とは別の観点で楽しめました。
そうそう、もともとこの原作は宮崎さんがマンガ雑誌に連載していたもので、いわば乗り物好きの妄想なんです。巷の批評なんかそもそも気にない確信犯ですね。
飛行機が好きなだけで戦争が好きなわけじゃない、スティールカメラもムービーカメラも戦争のおかげで発展したし、インターネットだって軍隊の通信手段として開発されたんですから。
って、なにをムキになってるんだか?
■なにわ様
例によりまして懇切丁寧なツッコミありがとうございます。
これぞ博覧強記、なにわの雑学大王といったところですね。

★nd502様
★sonic様
★chocobo様
★サットン様
★hideta-o様
nice!ありがとうございます

by Cedar (2014-10-24 19:39) 

KEY坊

宮崎駿監督は「もうヤメルっ!!」って言ってますが、氏が描いた「雑想ノート」や「妄想ノート」から、きっと、作品が飛び出すことでしょう。
鉄道も飛行機も戦車も模型も幼い頃から大好きですが、これらノートの様な『妄想』に萌えちゃうので〜すvv♩
時々、またラジコン飛行機をノンビリ飛ばしたいなぁ〜って想ったりしますが、街の模型屋サンが消えてくのは淋しいものです。
by KEY坊 (2014-10-25 14:58) 

かわうそ

 Cedar様
 おお、「風立ぬ」が来ましたか!!
 かわうそは、フランスやイタリアの大戦機も好きなのですが宮崎さんもそうだとか。
 たしか昔、「モデルグラフィック」という雑誌の対談で、今は亡き「航空情報」の別冊「仏・伊・ソ機の全貌」を枕元において、毎夜、寝る前に読んでいたということです。(その時の対談のネタがフランスの珍機、アルスナル・デュラン10でした)
 戦闘機や軍艦が好きだというと、すぐ戦争が好きだという短絡的な考え方をする人が多いのは、日本人の悪い癖ですね。
何とかならないもんですかね。
 
by かわうそ (2014-10-25 15:20) 

なにわ

そうなのです、兵器は好きだけど実際に使われる戦争は嫌い、これが戦争狂や丸腰平和主義者には理解できないんでしょう。
ところで、ドイツの機関車なんですが、デッサウの近くの州のザクセンのカマ(18-000)かバイエルンのカマ(18-400~500)かもしれないですが、ザクセンはいかつく、ドレスデン~ベルリンが運用の中心のようなので、100両以上いたバイエルンのカマかもしれません。
by なにわ (2014-10-25 21:31) 

Cedar

◼️KEY坊様
宮崎さんも大作を手がけるのでなく、気楽に小品や短編を、と思うのですが周囲が許さないのでしょう。
好きなことやって優雅な老後ってのは日本じゃ無理?
◼️かわうそ様
飛行機や船って軍用の方がカッコイイから始末が悪いですね。
この映画の元ネタって『モデルグラフィック』に宮崎さんが連載した漫画だと、どこかで読んだような〜…。
◼️なにわ様
ドイツ罐情報ありがとうございました。
せっかくですがほとんど理解できません。


by Cedar (2014-10-25 23:10) 

Cedar

★suzuran6様
★トータン様
★UZ様
★シュウチャン様
★あおたけ様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2014-10-25 23:13) 

Cedar

★とーる様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2014-10-26 22:49) 

狂電関人@事務所

Cedarさま

本編を未だ見ていない電関人ですが、いやーさすが宮崎映画だけあって
メカ物のシーンは垂涎ものですね!!
それよりも、下之一色線の1枚。ググッと来ちゃいます。。。
店先の踏切を電車が走る、まさに昭和ですね。
西鉄福岡市内線の千鳥橋からの専用軌道にはまさにこんなシーンを
探して傾倒しておりました。
by 狂電関人@事務所 (2014-10-28 13:29) 

Cedar

◼️狂電関人様
路面電車の専用軌道は絵になる場所がありましたね。下之一色線は私鉄買収線で専用軌道が殆ど=荒川線と似た歴史がありますが、こちらは早々廃止になりました。
映画と関係無いコメ返でしたね。

by Cedar (2014-10-28 15:29) 

Cedar

★taharas様
★いっぷく様
★やまびこ3様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2014-10-29 06:31) 

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