サンフランシスコのポール電車

前々回の京阪大津線の記事に関して＜はーさん様＞にコメントをいただきました。

それに刺激されまして、今日は15年ほど前サンフランシスコに行った時の画像をご覧戴きます。　Fラインと言う路面電車がありまして、他の線区がLRV(※）で運転されているのに対して、PCCのみ、しかもポール集電で運転されていました。更に特別運転として、各国から集めた古典電車が運転されるという、トロリーマニアには見逃せない線区なのです。

観光客にはケーブルカーが有名ですが、電車マニアたるものFライン！とばかり、家人を説き伏せて終点のCastro Street（カストロストリート）に向かいました。

(1）停留所で待っていると、ダウンタウンの方からグレイ系のシックな塗装のPCCカーがポールをかざしてやってきました。車椅子用のスロープやガラスの屋根が整備されているのが印象的でした。クルマ社会のアメリカでは、公共交通は交通弱者のためのもの、という考えが有りますからね。　ポール使用なのに車掌はおらず、かつポイントでもスムーズに分岐してきます。京福や京阪だと、架線フログ通過の時には車掌がポールをチェックしていたのとは大違いです。停留所のガラス部分に描かれた蛇のような紋様（？）はMUNI（MUNICIPALの略）を図案化したシンボルマークで、電車やバスの車体にも表記されています。

ダウンタウンに向かうFラインの電車は、Market Street（マーケットストリート）という大きな通りを、ほぼ一直線に走ります。

　FラインのPCCはアメリカ各都市の路面電車の塗装になっているところも、トロリーマニアには憎い演出です。1054はフィラデルフィアの塗装です。

　この塗装がサンフランシスコのオリジナルです。

　こちらは有名なロスのパシフィックエレクトリックの塗装。

　そしてこちらはメリーランド州のボルティモア～　様々な塗装のPCCがポールを振りたて、行き交うのでした。　上の写真を拡大してみると・・・片方の架線(＋側）が電車の後ろに停まっているトロリーバスと共用になっています。はーさん様がおっしゃるように、通常のパンタを使わないのはこのせいでしょうね。～パンタでは＋と－がショートしてしまいます。鉄の車輪とレールは－回路になリますが、ゴムタイヤのトロバスは架線が2本必要です。(説明～わかりにくいですか？）　トロリーバスと路面電車は停留所も共用、乗客は先に来たほうに乗っていけば良いわけです。

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Fラインの走るマーケットストリートの地下には、MUNI　METRO(ミュニメトロ）と呼ばれる地下鉄も走っています。～と言っても、電車は(※）LRVですから、郊外では地上や路面を走ります。　当時使われていたこの電車は色々評判が悪く、すでに置き換えられています。

サンフランシスコで使われていたLRVは、ジャンボでおなじみ、飛行機メーカーボーイング製でした。ハイテク＆巨大モノが得意な会社が、電車など作っても無理！と、誰でも思いますがそのとおりの結果だったようで・・・　でも、デザイン的には嫌いじゃなかったのです～この時に現地でHOモデルを衝動買いしたくらいで・・・（笑い）。

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再びポール電車の姿をどうぞ。

　マーケットストリートの地下線は、市街地の西側に広がる丘、ツインピークス（例の映画とは関係ありません！）の下を抜けて、この駅(ずばりTwin Peaks West Portal）で地上に出ます。撮影当時はPCCの近代化されたバージョンも、時々走っていました。

はーさん様のコメントに依れば、現在Fラインは延長され、海岸沿いの有名観光地フィッシャーマンズワーフまで走っているようです。

トロリーマニアの天国となった感のあるサンフランシスコ・・

でも、この刑務所は地獄（・・・すみません関係のない駄洒落です。）　　　　　　　　　　　

　　　　今日はこんな所で失礼いたします。＜はーさん様＞ありがとうございました。

 

コメント 21

トロリーバスとトロリーを共用できるんですね。
街に入れば地下鉄にもなって、
凄く発想が自由ですね。
by manamana (2010-10-13 09:06) 

5年ほど前にサンフランシスコへ行きまして、
名物のケーブルカーよりも、初めて見るPCCに感激した覚えが
あります。アメ車のような重厚なデザインのPCC、
アメリカ西海岸の街によく似合いますね。


by あおたけ (2010-10-13 09:52) 

１５年前のSFのF-line拝見しました。
全米から来たPCCたちは今でも元気で走っております。
フィラディルフィァやボルチモアの車には小生も乗りました。
今ではPCCと共にミラノ市電が一般営業用にたくさん走っていますが、
これは多分吊掛け式のPCCより古い車です。
これと乗り比べると、PCCは静かで、乗り心地も柔らかく、今でも、通用する電車だと思いました。
しかし、床が高いのでCederさんの画像にあるように電停の端に少さな
高床式ホームとスロープが車椅子用にあります。
同じものがデンバーのトラムにもありましたが、１５年前からあるとは驚きですね。
F-line以外のトラムはマーケットストリートでは地下に入ります。T-lineに乗りましたが、高床式電車で、地上の電停には高床式ホームがありました。車社会からの反省か？デンバーやサクラメントにも新しいトラムがありました。一昨年、行ったカナダのカルガリーにもありました。
日本では新しいLRTは中々実現せず、米国、カナダにも遅れを取っているようです。
迅速に１５年前のF-lineをローディングされ、楽しく拝見致しましたが、小生のHPへのアップロードはすこし、遅れそう、（１１月初め？？）で申し訳ありません。
今回、訪れた、デンバートラム、ジョウジタウン・ループ鉄道、デュランゴ＆
シルバートン狭軌鉄道、AMTRAK「カリフォルニア・ゼファ」についても併せて載せたいと思っておりますので、お許し願います。
なお、地球の歩き方「北米大陸鉄道の旅」ではジョウジタウン・ループ鉄道
にシェイ式SLが走っていることになっていますが、これは誤りで、普通のSLが入っています。編集部は誤りを認め、地球の歩き方HPに誤りであったことを載せるとのことですが、本はそのまま、販売されているようですので、行かれる方はご注意願います。
by はーさん (2010-10-13 11:36) 

■manamana様
SFはいろんな意味で発想が自由な町です。70年代のフラワームーブメントや80年代のゲイカルチャー、今でもアメリカで最も自由な町と言われています～あれれ、電車とはあまり関係ないですかね？
■あおたけ様
PCCってたしかにクラシックなアメ車っぽいデザインですね。登場した当時から｢クルマに対抗できるデザインと性能｣をコンセプトにしていたそうですから。乗ってみると、交叉点での加速などはクルマ並に鋭いのはさすがですね。足踏みのマスコン・ブレーキもクルマ感覚ですしね。

by Cedar (2010-10-13 19:18) 

■はーさん様
勝手にスピンオフ記事をUPしてしまいました。ミラノの電車はピーターウィット形ですからPCCの一世代前になりますね。
日本でのLRTの実現は自治体の縦割り行政が壁になっているのではないでしょうか？

アメリカの鉄道のHPへのUP楽しみにいたしております。
by Cedar (2010-10-13 19:22) 

★nexus６様
nice!ありがとうございます。
by Cedar (2010-10-13 19:23) 

サンフランシスコのＰＣＣ・・・・楽しく拝見しました。ポール電車が闊歩するＳＦ、米国はガチガチの自動車社会と思ってましたから、こんなトラムラインがあるなんて、驚異ですね。米国って意外と柔軟性があるんだなあと思いました。
さて、路面電車とトロリーバスが、架線を共用する・・・考えても見ませんでした。そのためのポール集電でしょうか？それとも観光路線の『時代』を演出しているのでしょうか？良く分かりませんが、面白いやり方ですね。
by む〜さん (2010-10-13 22:22) 

PCCいいですね。
20年ぐらい前に出張で行ったときに、ボーイングのLRVをとりまくった記憶があるのですが、当時は、F－Lineの走っている線路は、イベントのときのみの運行でした。
PCCカーはそういうときのために保存してあったのでしょうね。
by やまびこ３ (2010-10-13 23:40) 

■む～さん様
アメリカは今や電車ブームとも言える状態ですね、映画｢ロジャーラビット｣に描かれたように＜自動車関連産業による電車の強引な廃止＞が行われたカリフォルニアにも、どんどん電車が開業しています。なかでもSFは軌道系交通の充実が素晴らしい街です。
また行きたいなあ・・・
Fラインがポールなのは、時代感の演出が狙いかも知れませんね。
by Cedar (2010-10-13 23:44) 

■やまびこ３様
お久しぶりです。確かに私の行った年の2～3年前に、Fラインが通年運行になったようです。
FラインのPCCはSFオリジナルは少なく、フィラデルフィア・ボストン・トロント・ピッツバーグなどからの移籍組が多いようです。SFのオリジナルは両運転台形だったようです。(ツインピークストンネルで撮ったものは、ひょっとしてオリジナル車？）。
by Cedar (2010-10-13 23:54) 

PCC、如何にもブリキのおもちゃが似合うデザインで良いですね。
アルカトラズ観光、相変わらず盛況の様で。確かにここから陸地を見ると
逃げ出したくなりますねぇ（笑）
by gop (2010-10-14 05:58) 

■gop様
アルカトラズの画像に反応していただきましたね（笑）！さすがです。
あそこからSFの町を見ながら臭い飯を食っているのは辛そうです。
オマケに潮流のはやさ・・・あそこに刑務所を作るなんて、人間は残酷です。
by Cedar (2010-10-14 08:17) 

お久しぶりです、こんばんは！
ステキですね。
あの色使いがいい感じです。
あとやっぱりデザインかなぁ。かわいいなーー。
by keroro (2010-10-14 23:08) 

Ceder様
一つ、ご教示頂きたく思います。
マーケットストリートではトロバスとトラムが架線の＋側を供用していると述べられていますが、小生の画像を改めて見てみますと、トロバス用の２本、2組の架線は中央の線路の直上にありますが、トラム用の架線は別に
ユニオン・スクエァ側に設けられているように見えます。
トラムのポールも、その方に向いているように見えます。
しかし、マーケットストリートで撮った写真は少なく、確たることは分かりません。
よろしくお願い致します。
by はーさん (2010-10-15 17:30) 

■keroro様
この電車はイモムシみたいな、ブリキのおもちゃみたいなデザインが可愛いと、家人も言っておりました。東京の都電にも、その昔コレを真似した電車があったんですが、銀座通りの都電が廃止になったときに消えてしまいました。
by Cedar (2010-10-16 08:18) 

■はーさん様
マーケットストリートの架線のこと・・ご覧に入れた私の写真と目撃談は15年前ですので、現在は改良されて別になっているのかも知れませんね。トロバスのポールは架線に対して自由度が高い(ずれても外れない）ので、場所は自由に動かせますので。
あるいはPCCのポールをトロバス方式に改造したか？～ご参考までに香港のトラムのポールは、トロバス式にシューの部分が水平方向に回転式になっていました。コレだと線路と架線の偏移に対応可能です。
by Cedar (2010-10-16 08:25) 

★尚爺様
nice!ありがとうございます。
by Cedar (2010-10-17 00:45) 

Cedarさん、こん＊＊は
2008年7月AnaheimのNMRAコンベンションのとき、SFOに1泊立ち寄り、Fラインに乗りました。空港に荷物を預け(翌日LAXへ又飛ぶので）、BARTでBalboa Parkへ。Muni Metroの車庫にPCCも何両かいました。Muniで途中模型屋に寄ってダウンタウンへ。Muniは新型になっていて、扉内側で昇降する床が路面と高床の両方のホームに対応していました。West Portalからは地下線で、Market St.はBARTと2階建の地下線でPierへ抜け、その地上をPCCやミラノ電車が走っているので、同行4名狂喜乱写！　確かMontogomery辺りで撮った画像を見ると、Pier方向へは架線がトロバスと共用で1組2本、反対側は共用2本の他にもう2本見えます。場所によって架線の使い方も違うのかも？　SFOのPCCの殆どは元Philadelphiaの車両だとか？　PhilyのSEPTA15系統に残っているのは冷房化され窓も固定改造されているので、原型のままのPCCが見られるのは嬉しいです。Fisherman's Wharfから更に西へ延びた？らしいので、もう一度行ってみたいものです・・・
by きんぎょ／中澤 (2010-10-17 12:15) 

■きんぎょ／中澤様
SFの近況レポート、ありがとうございます。PCCが現役なのは嬉しいですし、軌道の拡充が続いているのも素晴らしいですね。ミラノのＰｅｔｅｒ Wittもかなりの数がいるようですし、・・・いいなあSF！
by Cedar (2010-10-17 13:25) 

サンフランシスコと言えば北米西海岸の電車天国。
ＰＣＣ未だに現役。

でも

どわ～、何故にアルカトラズ島?!

アル・カポネも泣いて悔いたとか伝説に彩られた、破獄不能の監獄島……

ところで、此処で思い立ったのですが、
アルカトラズの事だから、もしかして島内に物資輸送用なり、囚人の労役用なりで、トロッコ軌道があったのではなかろうか？
誰か御存知ありませんかねぇ
by 紅玉国光 (2012-04-21 19:24) 

■紅玉国光様
古い記事にコメントありがとうございます。
アメリカ電車好きのCedarとしては西海岸SFは最も近いですし、今や
ツアーで行けるアルカトラズ始め、観光地としても楽しい街です。
by Cedar (2012-04-22 09:12)