続『レイアウトの時代』を懐かしむ [アート・本]
1回おやすみしましたが、TMS特集シリーズの『レイアウトもの』から、ガキ鉄Cedarの記憶に鮮やかな記事をご紹介します。今回は3冊目と4冊目から・・・
まずは昭和36年発行『ホーム~』
書名からもわかるように、日本が豊かになっていくなか、多くの個人用レイアウトが生まれていった昭和30年代前半~中ごろの事例集です。
前回の2冊の事例に比べて、市販車両の種類も増えてきて、よりオーナーの趣味や好みがはっきりしてきています。国鉄形の長編成が走るレイアウトも登場・・・表紙にもなっている衣笠鉄道はEF58やC62の引く列車が日本的風景を行くレイアウト~なのにティンバートレッスル作っちゃうのは時代ですねえ。日本には森林鉄道以外では無かったのに。
(1)
一方で私鉄風・軽便風の小形車両が主力のレイアウトも作られていました、当時のことですから16番ですが、今なら半分くらいはナローゲージのレイアウトなんでしょうね。その中でCedarの印象に残ったのはこれです。
その名も、ななしの、ごんべえ鉄道!
(2)
当時のベストセラーつぼみの森林タンクなどを主力とした楽しい雰囲気一杯のレイアウトで、アメリカ風を基調にしつつ、スイス風も混じったシーナリーに魅了されたものでした。
(3・4)オトボケな鉄道名とはうらはらに、小さいながら密度濃く、作者のセンスが独特の世界を作っています~こういうレイアウトは作れそうで作れないなあ~と今でも思います。シーナリーやストラクチャー用品が今のように充実してないからこそ出来たのかも?ってのは暴論ですが・・
(5)最近のものには、こういう個性あるものはほとんど無いですよね。
左下にある図面は別の鉄道(※)のものの計画図でしたが、発表から10年以上たって大学の鉄研の先輩がほぼそのまま作っていました。
※ちなみにこの鉄道名は能呂井(のろい)鉄道でした。こちらは小形ながら国鉄形が走ることを想定してますがカーブは18吋(約450mm)とずいぶん急ですね。
名奈信野、言辺江鉄道・能呂井鉄道~小形車メインですから国鉄幹線のレイアウトとはネーミングも違っています。どうせ傍流だから名前も斜に構えて・・という作者の気分を感じるのはCedarの偏見ですが・・
次のレイアウトも小形・自由形が走ります、鉄道名は御幌(おんぼろ)鉄道・・(新・がつくように2代目です)
(6・7)
リアリティとか精密感とはまったく無縁なのに、とっても魅力的!Cedarお気に入りのレイアウトのひとつです。無理せず個人のレイアウトとして楽しもうとする姿勢は、ともすればリアリズムの袋小路に入り込みがちな最近の鉄道模型が失ってるものではないですかね。
(8)
山崎主筆いうところの『素直なレイアウト』~明るい草原のような感じもいいですね。
この本は多くのレイアウトが載ってますので、もう少し紹介します。
京の都のお茶の先生(↑9・10)が作った独特な雰囲気のあるレイアウトと、
東京赤坂の料亭の若旦那(↓11)が運転を楽しむのは、夜は芸者が侍るお座敷の屋根裏レイアウト。
日本の伝統的な世界の中にもモデルマニアが多いことも、小学生の鉄ジャリには興味深かったですね。
そのほかにもいろいろ出てきましたが、そろそろ次の『~サロン』に行きましょう。
4冊のなかでいちばん新しい、といっても昭和38年発刊ですから、Cedarはまだ小学校高学年!
この本では何といっても新・モンカルラインの紹介が圧巻でしたね~モンカルライン総裁たる後藤洸さんが、総裁専用車で自分のレイアウトをめぐる、というバーチャルリアリティがガキ鉄には最初は良くわからず、わかってからは嵌りまくり~記事の文章や写真の見出しは丸暗記していたほどでした。
『アーチ橋に列車見ゆ!』といった大時代なのも違和感は無かったですね。
(12)実際に総裁専用車の模型(っていうのも変ですが・・)が登場。国鉄形客車のショーティで、幕板にMONCAL LINEとレタリング入りなのが痺れます。
記事はモンカルラインの見所を順にめぐりますが、石油基地への支線が電化されていてポールつきの電機に付け替えるあたり、にくい構成です。
(13)当時我が家にも在籍していたサウスショアが架線下を行く写真には胸がときめきました~
アーチ橋のあたりはいかにもレイアウト的な見せ場ですね。アメリカ形と日本形が自然に同居しているのも模型ならではの楽しさです。
(16)この記事の中にも合成写真で登場する総裁専用自動車(ダットサンですね)、総裁専用自動車のガレージの2階がレイアウトのある場所とは、なんとリッチな世界かと、城北の店舗併用住宅に住む鉄ガキは思いました。
社章や総裁専用車など、なんだかアメリカのモデラーみたいでかっこいいなあ、なんとこともぼんやり思ったなあ~
その他で印象的だったのは〜
(17)国鉄形レイアウトで架線集電を採用した『つくし鉄道』や
(18)当時はあちこちに残っていた非電化地方私鉄をモチーフにした『わびさび系』レイアウトの走り?三津根鉄道
自分が作りたいものでないけれど、なるほど~とは思ったりして・・
こうして半世紀前のレイアウトを巡ってみると、資材、情報、資金など今よりずっと厳しい環境でレイアウト作りと運転を楽しんでるなあ、と感心したり焦ってみたり…。
いつかは自分もレイアウトのオーナーにと、思い続けてはや・・・ん十年!生きてるうちに実現しますかねえ?
トロリーラインかインタアーバンか、いっそモンカルラインみたいな無国籍コレクションレイアウトを目指すか?
(19=無理無理っていう冷い視線がどこからか?・・)
と、いうところで特集シリーズのご紹介はこれまで・・
ではまた。
レイアウト変幻自在=プラレール
娘達が小さかった頃みたいに盛大にヤッテみたい。
あの感覚も、こでらんねぇなぁ。
by hanamura (2015-04-21 06:28)
学生の頃、三津根鉄道のレイアウトプランを参考に、一畳サイズの
固定レイアウト(ドイツのトロリーライン)を作りましたが、シーナリーに行く前に
挫折しました(T_T)
by 常武鉄道 (2015-04-21 08:57)
◼︎hanamura様
線路を部屋いっぱい広げて遊ぶ楽しさ!プラレールはシステム的によく出来てて、鉄道模型の原点ですね。
ウチの近くの環八沿いのクルマディーラーのお子様用プラレールを通るたびに横目で見ちゃいます。
◼︎常武鉄道様
このシリーズの作品やプランをもとに、レイアウト作りに
チャレンジした方は、Cedarの周りにま多いですね〜未完に終わった方も多いです(笑)。
by Cedar (2015-04-21 10:05)
★AKI様
★シュウチャン様
★あおたけ様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2015-04-21 10:07)
おお、懐かしホームレイアウト。私が最初に買った別冊です。この頃の別冊には夢がありました。
by EF510-230 (2015-04-21 10:08)
モンカルラインの総裁車でゆくレイアウト巡り〜
私も大好きで何度となく読み返しました!
トロリーの張られた貨物線なんて涙ものですね。
この頃の記事は頭にこびりついていますね。
by Chitetsu (2015-04-21 11:32)
■EF510-230様
最近の鉄雑誌に一番欠落してるもの=夢ですね。
■Chitetsu様
記事の構成が新しかったですね。合成技術がイマイチでよくわからないってのはありましたが・・
こういう遊び方はブログなんかでもできそうです。
★あるまーき様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2015-04-21 13:21)
★nd502様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2015-04-21 18:45)
★モボ様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2015-04-21 20:32)
Cedar 様
私が模型を始めた昭和50年代は、やっとNゲージの日本車両が出始めたばかりのころでした。もうね、「TOMIX」は「TOMY」、「KATO」は「関水金属」でした。もうね、「TOMY」の「ED75セット」なんて日本の客車がないからアメリカの客車が3輌、ED75とセットで売ってて。
オレが小遣いはたいて買ったエンドウのEF58は、レイアウトから転落して前面がひしゃげるし・・・(Nゲージに珍しくエンドウのEF58は金属製でした)。
Cedar 様のころは、HOやOゲージが主流ですが、我々の世代の金のない悪ガキにとっては、HOやOゲージはまさに高嶺の花でした。
まぁ、その後はみんなHOn1/2でちまちまレイアウトを造りはじめるのですが。
しかし、このころのレイアウトを造っているみなさん、金も広い家もあるよなぁ・・・。
by かわうそ (2015-04-21 22:03)
■かわうそ様
たしかにNゲージのおかげでレイアウトはずいぶん一般化しましたね。
特集シリーズの頃はHO(16番)が主流でしたがCedarの周辺に固定レイアウトを持ってる人は一人しかいませんでした、ほかはみんなお座敷運転、がんばってるやつは組み立て指レイアウトでした~模型人口が絶対的に少なかったですね。
★TakiHaru様
by Cedar (2015-04-21 23:51)
どの本かは忘れたけど、猛毛内鉄道只乗線、なんていうのもありましたね。
by モハメイドペーパー (2015-04-22 00:29)
そういえば、最近は固定レイアウトを〇〇鉄道と名乗ることが少なくなった気がします。
箱庭的と揶揄されていましたが、今振り返ると何とも楽しいですね。
も、も、もちろんローカル私鉄細密ジオラマも素晴らしいと思っていますよ。
by 元・いきもの部長 (2015-04-22 01:52)
◼︎モハメイドペーパー様
ああいうセンスは今や消えましたね、もうけないてつどう〜コロの毛線もありました。
◼︎元・いきもの部長様
箱庭であろうと、マンジュウ山であろうと、楽しさがありましたね。
最近の鬼気迫るリアリズムには正直ついていけません。
★DrakenBeginner様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2015-04-22 10:13)
★ネオ・アッキー様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2015-04-23 11:40)