びわこ号オリジンが走る(インタアーバンは面白い、その10) [海外電車汽車、今昔]
ひさびさにインタアーバンのお話~ちょいと癖あるデザインの連接車です。(1)
走っていたのはWashington Baltimore & Annapolis Electric Railroad=その名通り首都ワシントンと歴史ある商業都市ボルティモア、そして軍港アナポリスの3都市を結ぶアメリカ東部きっての高速インタアーバンで、Cedarは昔から好きな電鉄でした。
そしてこの連接車、日本のある電車のモデルだったのでした。
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親しくお付き合いいただいてるChitetsuさんのブログ記事(↑=無断転載!)によると、
かの有名な京阪60形<びわこ号>のお手本だということでした。(3)
昭和43年に錦織車庫で休車中の63号の姿です。前年に京津線各停で運用されているのを見かけたものの、間近で見るのは初めてでした。大阪~大津直通のため、様々なアイデアを盛り込んで誕生したこの電車。気動車風の顔はさておき、ユニークなスタイルに、しばし見とれたものでした。
(4)
『実用のための機能がデザインになっている良い例ではないでしょうか?』
などと以前ブログに書いたりしましたが、オリジンはアメリカ東部だったとは~やはり関西の電車はインタアーバンと縁が深いですね!
京阪はびわこ号の建造に当たり、本場のインタアーバンのテクノロジーを研究し、京阪線での高速運転と京津線での急勾配・急カーブをクリアできる構造として、この電車をびわこ号のお手本にしたようです。
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まずは京津線の急カーブを重連でクリアするため連接構造~アメリカのインタアーバンは急カーブはお手の物ですからね・・
ここはボルティモアのターミナルですが、ループ線がホームになっています。日本でも阪急箕面や京濱電鉄穴守稲荷がこうなっていたとか・・
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金属製の円筒が台車に乗って、貫通路を形成してるこの構造は、びわこ号にそっくり取り入れられていますね。
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ブリルの工場での縦曲線への対応試験シーンです~66.7‰を持つ京津線ではこういう性能も気になったことでしょう。
びわこ号との最大の違いは室内設備です。大阪~大津とワシントン~ボルティモアでは距離が違うとは言え、こちらはモダンなクロスシートを装備してました。(8)
室内は京阪線急行用で活躍した1550形(→600形)のようです。ローマ字レタリング入りの車体もびわこ号よりもアメリカンです。
やはり京阪って会社ぐるみ『インタアーバン大好き!』だったんですね。
(10・11)
路面の停留所用と普通の駅用の2種類のドアのデザインヒントも、この車体から得ているようです。
このボディにステップ無しのドアを付け、パンタを載せたら~車体長こそ違いますが、まさにびわこ号のイメージですね。
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路面用ドア周りのデザインが、WB&A譲り?
びわこ号の京阪線のダイヤはどうだったかは知りませんが、WB&Aが郊外に出た時の走りっぷりはかなりなものだったらしく、アメリカのインタアーバンの中でもその高速ぶりは有名です。(13)
重厚なデザインの電車が、ポールを振り立てフルノッチで疾走する姿は、想像するだけで痺れます。
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Chitetsu様の記事にインスパイアされ、例によっていろいろ調べているうちに、この電鉄についてもう少し書きたくなりました~次回もWB&Aのお話をいたします。
(15)
ユニークなターミナル駅の線路配置などもご覧に入れます。お楽しみに!
※この記事の画像(CERA B-130『Every Hour On The Hourよりのもの)転載はご遠慮下さい。
2車体で1輛ですから車体をまたがってフルネームで社名のレタリングが入っているのがいいですよね。
> ローマ字レタリング入り
英語のレタリングですね。KEIHAN DENKI …じゃないですから。
Railroad Romanの書体も向うからの戴きで,好き者には堪えられん!
これで幕板のドア間いっぱいに横長のExtended Railroad Romanで書いてあったらシビレ度合いも増すところですが,京阪はセンター合わせにしたんでこうなってるってことなんでしょうね。
びわこ号にもまたがって入ってりゃ格好イイのになァ。模型だったらやれない話じゃないんで,誰かやってみないですかね。
でもそんなことしたら生粋京阪ファンに殴られちゃう?
by Tad (2014-04-17 02:30)
びわこ号オリジン、格好良いですね。
京阪の設計者が現地行って結構詳しく調べて来たと言う話があるだけあって、設計思想良く似てますね。
この電車のかっ飛ぶ姿が見て見たかったなあ。
連接部分の車体構造、改造連接車の名鉄モ400とそっくりですね!
by Chitetsu (2014-04-17 07:09)
「びわこ」の香りがプンプンしますね。いや、逆でしょうね。「びわこ」にアメリカの香りがプンプンするという方が正しいかもしれませんね。
戦後の私鉄ロマンスカーが、ヨーロピアンだったのと、好対照のように感じます。
by のり (2014-04-17 08:32)
Cedar兄さん
おっとでました真打ネタ!(笑)
びわこ号大好きです!
心残りは、我が西鉄のモ500形連接車の写真を撮り損ねたです!
気が付いた時には、花畑(?)で前哨灯を外された無残な姿で、
幼少な電関人は傷心したのでした・・・。
by 狂電関人@昼休み (2014-04-17 12:56)
■Tad様
あはは、英語とローマ字間違えるとは情けないでした。
インタアーバンライクが一杯の関西私鉄でもレタリングまでやったのは京阪だけでした。阪神とかもやって欲しかったです。
■Chitetsu様
昔から好きなWB&Aの記事書くきっかけ戴き、ありがとうございました。びわこ号は気動車風のお面が実はあんまり…でした。
浜大津で隣あっていた江若鉄道に影されたのでしょうか?
■のり様
その昔の関西私鉄はインタアーバンライクな雰囲気が溢れていて、アメリカ臭ぷんぷんしてました。関東の醤油の香りの電車しか知らないCedarの憧れでした。
>ロマンスカーが欧州風~
確かに南海のデラズームこうや号や、Vista一世以外の近鉄特急はヨーロピアンですね。
by Cedar (2014-04-17 13:03)
■狂電関人様
西鉄500は高速電車初の連接車でしたね。
西鉄にも海外事情通がいたのかも?
★hideta-o様
★あおたけ様
★モボ様
★nd502様
★FTドルフィン様
★hanamura様
★あるまーき様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2014-04-17 13:21)
数年前にびわこ号復活運転の話が出ましたが、どうなってしまったのでしょうか?京阪間を再び走るのではないかと楽しみにしているのですが、頓挫でしょうか?
by EF510-230 (2014-04-17 14:02)
■EF510-230様
どうなんすか?実物事情は全く疎いので。
by Cedar (2014-04-17 14:07)
Cedar兄さま
西鉄は当時の社長や技術担当重役が先進的だったとモノの本で読みました。
故に、今回原色復帰した貝塚線のモ313Fもモノコック構造を近車が開発して本体近鉄が当時不採用も西鉄が先陣を切って導入したと。
オールMのロマンスカー1000形、旧600形の流線形など当時の
国内インターアーバン鉄道の最先端企業ではなかったかと・・・。
by 狂電関人@休憩中 (2014-04-17 15:24)
■狂電関人様
再コメありがとうございます。西鉄の先進性は九鉄のモ200にはじまり、枚挙にいとまないです。500は軌道線の連接車の先駆けだったのでしょうか?
by Cedar (2014-04-17 16:28)
★フジトモ様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2014-04-17 23:13)
WM&A電鉄の連接車はすっきりした窓の並びや立派なクロスシートなどかなり完成度が高い車両だったと思います。それを参考にした「びわこ号」はアメリカの鉄道ファンにも懐かしく受け入れられるでしょう。
私が「びわこ号」を見た頃はまだ京阪では戦前からの車両が戦後の車両群の中にうまく溶け込んで活躍していました。それらの中で「びわこ号」はかなり濃く戦前のスタイルを残していて、装甲車を背中合わせにしたような外観と円筒型の通路は不気味でした。京津線で遠足の貸切列車での乗車でしたので、晩年は今のジョイフルトレインのような役回りも担っていたような気がします。
by 京葉帝都 (2014-04-18 11:39)
★teftef様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2014-04-18 12:14)
■京葉帝都様
びわこ号に乗車されたのですね。羨ましい!
廃車まで大規模な更新などは無かったようで車内など登場時の面影が残ってたと思います。
あのデザイン、たしかに装甲車風ですね。
by Cedar (2014-04-18 12:22)
びわこ号が600V時代の車両なのに、現在の京阪本線の架線電圧が1500Vで、配線などの耐圧が確保できないのが障害になっているようです。MODEMOのびわこ号で我慢するしかないのかも…。
by hideta-o (2014-04-18 14:36)
■hideta-o様
びわこ号本線走行は規制のうるさい日本では無理ですかね。精々車庫内を往復するくらいですか・・・それでも凄いけど・・
★Ujiki.oO様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2014-04-18 15:21)
WBA、Cedarさんなら絶対ネタにすると思ってました。京阪が参考にしたようですなと。円筒形の連接部、連接車ではないですが、札幌市の改造連結車A850、A870もこういう構造ではなかったでしょうか。
それに日車ガソリンカーのデザインを融合させたと。
ま、電線を1500V耐圧に更新出来ても(モーターへの印加電圧は1.25倍になる)、京阪間60分で走っていた当時の足で、今のダイヤに適応できるかは難しいですね、ましてや地下線も存在するのですから。
石坂線で走らせて、そっちへ客を呼ぶほうがいいような気がします。
by なにわ (2014-04-18 17:41)
■なにわ様
実はChitetsuさんの記事見るまでWB&Aがオリジンとは知らなんだ。
仰るように万一復元したら大津線で走って欲しいです。
by Cedar (2014-04-18 18:53)
★ひでほ様
★denta60
nice!ありがとうございます
by Cedar (2014-04-19 18:15)
Arail206様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2014-04-19 21:23)
びわこ号、みなさん、ご興味がおありの様ですね。寝屋川市のプロジェクトは、寄付金がいまだに目標額に届いていないようですから、是非、ご協力をお願いいたします。様々な特典もあります。
で、連接構造が採用された理由なんですけれど、過去に当方のブログで話題としました。よかったら覗いてみてください。実は、現行の800系でも一時、連接を検討したことがありました。もちろん、「急曲線をスムーズに通過させるため」ではありません。
by ワークスK (2014-04-20 02:57)
■ワークスK様
お久しぶりです。びわこ号の誕生秘話といいますか。連接構造採用の理由、ブログの記述拝見して納得いたしました。
WB&Aでも列車単位適正化(連結運転のデメリット解消)と乗り心地の向上は、連接車採用の理由だったようです。その増備車が普通の単行車になったのもありがちな話しでしたが。
by Cedar (2014-04-20 06:34)
★やまびこ3様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2014-04-20 06:44)
★素人写真様
★sora_p様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2014-04-20 15:12)
はじめまして。
コメントありがとうございました。
びわこ号、面白いですねえ。
わたしも実物を見られたら、夢中になっていたかもしれません。
by nozzy (2014-04-24 23:31)