函館十字街（昭和46年3月）

先日の『函館ビリケン電車』の記事では、部分拡大で使用させて戴いた高松吉太郎氏撮影の函館十字街の600形の写真、こちらがフルサイズです。

車道にあふれた人波と一緒に、市電が3輌も写って、楽しげな賑わいが感じられるこの写真をじっと見ているうちに、昭和46年にCedarもほぼ同じアングルで撮影していたことを思い出しました。　　

（1）
高松さんの写真と見較べると、歩道にアーケイドが付けられたものの、建物はもちろん街灯の形も、パチンコ屋の看板まで同じでした。背後の函館山山頂に測候所（？）が出来たのが目立つ変化ですね。
電車は谷地頭行き500形。同じ北海道の札幌市電600形に似たスタイルで、ダークベージュとブルーの地味な塗装や側窓の太い保護棒など、重苦しい感じの電車でした。ワンマン化で前面窓がHゴム化されたものの、600形のような『福笑い顔』にはなっていません（高松さんの写真には原形が2両写っていますね。）。それにしても505のNo.文字のデカイこと！
（2）
安全地帯で停車後、この電車は左に曲がります。今はドック前方面と谷地頭方面の分岐だけの十字街ですが、当時は下写真のようにデルタ線になっていて、3方向フルに電車が走っていました。
ここには写ってませんが、今も保存されている信号塔でポイント切替をやっていました。繁華街だったと同時に市電の要衝でもあったわけです。（3）

ここにはクラシックな建物が点在したのも良かったけれど、『十字街』って地名がまず良いですね～古来からの地名に縛られない新開地らしいネーミング～なんだか日活映画の国籍不明ウエスタンに出てきそうです。
高松さんの写真は、函館随一の繁華街だった賑わいが感じられますが、Cedarが行った頃には往時の賑わいが無いのが残念でした・・・。（4）
ドック前からやって来た713の後ろに立つ印象的な建物、Cedarは銀行か役所だと思っていましたが、丸井今井というデパートだったとはびっくりしました。昭和46年の函館の街のことはよく判りませんが、当時もデパートが立地する場所には思えなかったです。（調べたら、丸井今井は昭和44年に移転してました。）
高松さんの写真の頃は盛業中だったのでしょうね・・・。

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再び「高松さんポジション」の写真です。

（5）
505に続行して、函館駅方面から湯の川発の5系統809が追いついて来ました。5系統は十字街のデルタ線を直進して、次の末広町が終点～繁華街⇔温泉地を結ぶ電車ってわけです。

（6）ちょっとピンぼけですが拡大してみました。800形は形式だけでなく形も東京都電8000に似てますが、廃止までのつなぎで安普請に造ったご本家よりしっかりした車体でした（たしかまだ何輌かは現役でしたよね？）。金太郎塗りにしたせいで、No.が小さくなってしまいました。

左上に見える道路表示の『立待岬』～なんだか演歌のタイトルになりそうな地名だなぁ、と思ったらホントにレコードがその後出たんですね～（笑）。

なんと唄は森昌子さんでした。

最近の十字街の写真を見ると、丸井今井の建物は外観が変わり（建替えられたのですかね？）、交差点角には何やら無機質なビルが建ってるようです。デルタ線のポイント切替をやっていた信号塔が賑わったジャンクションの唯一の名残りでしょうか。

というわけで、今日はこんな昔話でした。

コメント 15

Cedarさま

「十字街」、なんともロマンチックな地名ですよね！

最近、やや函館市電熱が上がり始めているので写真を拝見して、

益々行きたくなってきました。
by 狂電関人 (2013-02-22 07:13) 

十字街、函館市電でも三本の指に入る好撮影地ですね。バックのもとデパートは学生の頃に行ったときは確か交通局が使っていました。現在は夜間ライトアップされているそうです。また、行ってみたいです。
by EF510-230 (2013-02-22 09:26) 

北の地域に多い十字街という地名にはどこか異邦感がありますね。
５００という電車までの渋いカラーリングに大きなローマン書体の車番がこの場所に似合っていますね。
沿線の二階部分だけが洋風の不思議な家が多く建つこのエリアは私のお気に入りの場所の一つです。

by Chitetsu (2013-02-22 11:51) 

■狂電関人様
市電人気もじりじり上昇中のようで～
ぜひ渡道して力作を！
■EF510-230様
十字街の元デパートは今は市の施設のようです。少し高さが低くなったような。
■Chitetsu様
北地域には十字街は多いのですか？
まあ、⭕⭕銀座とか仲見世ってのと同じことなんでしょうね。銀天街みたいなモノかしら？

★あるまーき様
★あおたけ様
nice!ありがとうございます



by Cedar (2013-02-22 16:00) 

函館市の７１０と８００、仙台市の４００、加越能の７０００シリーズ（地鉄の７０００もそうですが）、と、都電８０００のコピーが長生きしとるんですよ。
D２１なんて妙な台車装備せずに、D20かD22のような台車をはいておけば、よかったものの。

by なにわ (2013-02-22 18:35) 

■なにわ様
D21は見た目PCCの台車みたいで、カッコ良かったですが乗り心地は悪く騒音も相当でした。
それ以上に8000の車体は鉄板がペコペコで、最後の頃はホントボロボロでした。

★モボ様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2013-02-22 19:42) 

なんとまあ、十字街の賑やかなこと。
そういえば、初めて渡道して函館市電の乗ったとき、
十字街にはアーケードがあったなあ。
by ナツパパ (2013-02-22 20:33) 

十字街の鳩ノ巣のあるポイントですね。
後ろの丸井今井ビルがあるときに自分が行ったかどうか覚えていませんが、風格のある街並みですね。
by やまびこ３ (2013-02-22 21:30) 

■ナツパパ様
賑やかだった街並みが寂れているのを見ると心が痛みます、Cedarがあちこちうろついていた頃はまだまだ地方都市は元気でした。そんな街に電車が走っているとなお嬉しかった・・・
■やまびこ３様
丸井今井ビルは3階建ての原形に復帰して函館市の施設になっているようです。Cedarga行ったときも風格のある街並みを見て「さすが歴史のある港町だ」と思いました。

★フジトモ様
nice!ありがとうございます

by Cedar (2013-02-22 21:46) 

昭和46年ですか？私が初めて函館に行ったのは60年・・・14年で街の景色はずいぶん変わるものですね。電車はそれほど変わってなかった気がします。素晴らしい記録です！
by hanamura (2013-02-22 22:52) 

高松さんの撮影が昭和30年代、Cedarが昭和46年、hanamura様が行かれたのは昭和60年…私は一度しか行ってない十字街の栄枯盛衰、素敵な地名に負けないように賑わいが戻るといいですね。
by Cedar (2013-02-22 23:01) 

★いっぷく様
★denta60様
★iko4wd様
nice!ありがとうございます

by Cedar (2013-02-23 07:07) 

函館にはこれまで3度足を運んでいますが、市電に乗ったこと、湯の川温泉に泊まったこと(宿はそれぞれ違いますが)は3回とも共通しています。最初に訪れたのは、Cedarさんの2年後の昭和48年の夏。上野発の夜行列車に揺られ、青森駅から連絡船に乗って函館駅に降り立ち、タクシーで函館山などを見てきた後、市電に乗って湯の川温泉の宿に。車窓から見える｢内地」と明らかに違う雰囲気の町並みが今も印象に残っています。2度目は昭和62年の夏、連絡船が消えるその前年。このときは気ままな一人旅で、周遊券を使い、宗谷岬まで往復してきたのですが、函館市内は満足に観光できませんでした。ただ、当時まだ市電でバリバリの主力だった500系の姿が妙に印象に残っています。そして3度目は平成10年、これまた夏休みの北海道一周旅行。今度は飛行機で函館空港に降り立ち、バスで函館駅に着いた後、車両のラインアップが前とは大きく入れ替わっていた市電に乗って十字街・元町界隈を散策。教会や｢函館区公会堂｣などを見物、名物｢五島軒」のカレーライスを昼食に。そして、露天風呂つき客室で自慢のPホテル(五島氏のライバル私鉄とは関係ないようです)に着いて夕食の後、送迎バスで函館山へ。過去2回は見ることができなかった絶景の夜景を楽しむことができたのでした。翌朝は五稜郭公園に足を運び、新撰組・土方歳三関係の展示も見てきて、その後登別温泉で立ち寄り湯を楽しんだ後、次の日の宿・札幌へと向かったのでした。
…今回の写真に写っている灰色の風景を見て、「そういえば、函館出身で、そんな名前のバンドがあったな(綴りは少し違いますが)」と思い出しました…♭いつか二人で行きたいね、雪が積もる頃に…。
by 伊豆之国 (2013-02-23 13:28) 

■伊豆之国様
旅の詳細な記録をありがとうございます。GRAYの唄で〆ていただきありがとうございました。

★gardenwalker様
★シュウチャン様
★arail206様
★FTドルフィン様
nice!ありがとうございます


by Cedar (2013-02-23 22:01) 

お世話になります。

テレビ大阪「和風総本家」担当しております、
津曲と申します。

弊社番組内でこちらの記事のお写真を
お借りしたくコメントさせていただきました。

お借りしたいお写真は
（１）と（５）のお写真です。

お忙しいところ申し訳有りませんが、
お返事いただけると助かります。
何卒よろしくお願いいたします。

[e-mail]

by 津曲 (2016-03-15 18:25)