天然色の夏、その4(丸窓電車昭和60年8月) [昔鉄写真]
立秋を過ぎても夏らしく(?)、昭和の夏電車風景をカラーでご覧戴くいただくシリーズ、その4回目は昭和60年8月の信州、上田交通です。
当時は普通に現役で、丸窓が特にもてはやされていたわけでもなかったですね。
この時は、夏の信州から北陸への旅の途中でした。信越線の列車を降りたところで1枚!起点上田駅も未だ高架などになっておらず、屋根の案内看板やホームの広告など、電車好きには堪らない乗り換え駅ムードが溢れていました。(2) しかも停まっている電車の戸袋窓は丸かった! いきなり出遭った凸凹編成~東急5000系のサハをクハ化した292と5251のアンバランスぶりがいかにも地方私鉄!って感じで思わず頬がほころびました。
いまやすっかり近代化され、東急のステンレスカーがそのままの姿で走っている上田の電車も、当時は雑多な車両が集結し、東京から比較的近いにもかかわらず、地方私鉄ムードを思う存分満喫できたものでした。
292+5251の編成に乗っていったおかげで、当時車庫があった上田原駅での入換シーンも撮影できました。
(3)丸窓電動車はクハを切り離し、軽便電車の機回し(電回しか?)よろしく横をすり抜け、クハの運転台側に回っていきます。詳しいことはよく覚えていないのですが、この電車はどうやら上田原行きだったのに、別所温泉⇔上田の前サボはつけっぱなしのようですね・・・(4) この入換作業を見ていたおかげで、「平面ガエル」などといわれたクハ292の連結面をじっくりと観察できました。広幅貫通路をつぶしてその跡に側面窓1個を移植したのでしょうか? 更によく見ると尾灯がつけられています~、こちらを後ろに電車に引かれて走ることもあるのでしょうか?
(5)「青ガエル変じて平面ガエル」のお顔はこんなでした。 どういうわけか丸窓電車と編成を組むことが多かったようです…ひょっとしてファンサービス?!
入換ウオッチングの間に撮影した、上田原駅のウッディな佇まいも印象に残っています~
風雨に晒され、いい感じに草臥れた木造の駅本屋。庇の上に取り付けられた2灯式出発信号機(?)もなんともいい感じでした。(6)
(7)クハ290の運転席の向こうには、東急グリーンそのままの車両も停まっていました。右側の建物(実は車庫です)が斜めのつっかえ棒で支えられているのも痺れますね。 丸窓電車の入換に備えて、職員がポイント切り替えに向かっています。
(8)そして、荒っぽく運転台側に連結。反動を利用するようにそのまま走っていってしまいました。
なるほど・・・こういう運用もあるので、連結面の尾灯が必要ってわけ?ですね。
この後の自分の動きはよく覚えていません。ネガを見るとあちこちの駅で途中下車して撮影しています。夏の日差しがまぶしい駅構内の写真を何枚かご覧いただきましょうか・・
(9) かつて西丸子線という支線が分岐していた下之郷駅にて~上田に向かう丸窓単行が駅を出て行きます
(10・11)白っぽい夏の光のなか、眠ったような中塩田駅 この駅に限らず、駅構内の架線がスパンワイヤーで吊られてるのも、いかにも地方私鉄らしくていい感じです。
そして終点、別所温泉駅です。この駅は今もあまり変わらないようですね。
(12~14)折り返し待ちの5251を、あちこちからじっくりと観察&撮影しました。
(15)当時は側線も未だ現役で、今は丸窓電車が保存されている場所にはガソリンカー改とすぐ分かるトレーラーが昼寝していました。(16) 今昔写真風に並べてみると、遠くの山すそに家が増えていますね
私が行った昭和60年は昇圧前の最後の時期で、古い車両がすべて東急の中古車に置き換えられた昇圧後に私は出かけていませんので(16)(17)の2カットは友人からの戴き画像です。
近代化して地域の足として頑張っているのは喜ばしいことですが、今の丸窓電車(↓)は如何なものですかね~最近のレトロ風電車みたいで・・私はあんまり興味がありません。(17)
という事はさておき、昭和60年8月、天然色の上田交通はこのへんで・・・
別所温泉や中塩田の駅舎の駅名表示がアルファベットなのが印象的でした。
私が初めて別所線に乗ったのは1994年のことで当時は既に7200系に置き換えられていました。
丸窓電車は、別所温泉の側線で資料館として車内に上田丸子電鉄時代の資料が展示されていました。
その7200系も1000系に置き換わりつつあるとは・・・1500V昇圧後の上田交通→上田電鉄は車両の入れ替わりが早いですね。
5000系が走っていた一時期には快速も設定されていましたが長続きしませんでした。
by 利きゅう (2012-08-13 00:16)
■利きゅう様
昇圧前の上田交通の地方私鉄ムードは魅力的でしたが、反面いつまで存続できるか不安も感じました。
一応近代化が進んだので、なんとかこれからも頑張り続けて欲しいですね。
★denta60様
★やまびこ3様
★UZ様
★COLE様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2012-08-13 13:44)
そのうち東急のステンレスカーが地方電化私鉄の顔と
なりそうですね。
by nd502 (2012-08-13 20:05)
■nd502様
北は弘南から南は水間まで、遠くはインドネシアまで、かつての西武並に地方私鉄は東急ステンレス車が席巻してますね。来年の副都心線直通で、更に大売出しが予想されます。
by Cedar (2012-08-13 20:13)
車両よりも古きたたずまいを残す駅舎や施設に目がいってしまいます。
自分は何かの旅行の折り、車窓から撮った写真が1枚だけの路線です。
by しおつ (2012-08-13 21:09)
■しおつ様
今改めて写真を見直すと、貴兄同様に、車両よりも背景の駅舎や施設に惹かれます。
記事にも記したように、そういうものをもっと撮っておけばよかった、と思っております。
★Reirei様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2012-08-13 22:09)
★schnitzer様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2012-08-14 07:28)
★viviane様
★ひでほ様
★シュウチャン様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2012-08-14 12:27)
クハ291と292のゲテモノぶりが何とも言えなくてツボです(^ ^ )
今は東急1000系が走っているんですか…ずいぶん変わりましたね。。
by うたに (2012-08-14 15:25)
■うたに様
クハ290は改造車ならではの面白さが溢れてました。
今の電車はステンレス製で改造が難しいのか、そのまま転属しちゃうので趣味的に面白くありません。
by Cedar (2012-08-14 17:18)
★ふじとも様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2012-08-14 17:19)
★プント様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2012-08-15 07:28)
★あるまーき様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2012-08-15 21:42)
上田の丸窓電車5250形は、“典型的な昭和初期の日本車輌地方私鉄標準型”では無い、ところが面白いと感じます……。
お椀形通風器や床下のトラス棒、ステップレスですっきりと一直線な車体裾部、何となく、むしろ川崎造船所タイプの影響の方が伺える様で。
日車も川造タイプのコピーを作ってはいますので(確か奈良電や豊川)、その延長線上にあるものか、それとも、これは上田側からのオーダーだったものか、今となっては知る由もありませんが。
良く見ると、尾灯が左右で形が違うのも味があって良いです。
向かって左側の「丸型埋込式」の方がオリヂナルで、向かって右側の「引掛け式」の方が後年増設したものでしょうか?
長い使用過程で使い勝手から少しずつ改善を加えて行った経緯が偲ばれます。……それでも、豚ッ鼻シールドビーム前照灯とか、Hゴムだのアルミサッシ窓枠だのと云う、不似合なパーツは「一切」加えられなかった辺りが、この車両のfanが多い所以なのでしょうね。
by 紅玉国光(富山市) (2012-08-19 21:47)
■紅玉国光(富山市)様
丸窓電車は最初見たとき「北陸形」~京福福井や福井鉄道の丸窓つきの電車と同系かと思いましたが、よくみると微妙に違いますね。
上田電鉄は駅舎の英文や750V電圧の採用など、モダンな社風を感じますのでステップレスなどもその影響でしょうか?
by Cedar (2012-08-19 22:02)
天然色の夏シリーズ、楽しく拝見しました。
夏の陽射しを浴びた昔日の田舎電車、どこかで高校野球のテレビの放送が聞こえてきそうです。
世田谷線のお話しで出てきた真夏の誰もいない路地のイメージともダブってくる気がしました。
上の話とは別件でお願いがございます。
当方のブログ(吊り掛け電車をもとめて、と言います)にリンク欄を作るにあたり載せさせて頂きたいのですが宜しいでしょうか?
by Chitetsu (2012-08-20 14:51)
■Chitets様
コメントありがとうございます。露出オーバーのような日差しの真昼の田舎道に高校野球のアナウンサーの声が小さく聞こえる~
いい感じですね。
リンクの件、どうぞよろしくお願い致します。
by Cedar (2012-08-20 16:37)