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ワンダーランド行きの電車に乗って(2004年7月のボストン、その2)) [外国鉄写真(昔)]

ちょうど8年前の今頃、2004年7月に行ったボストンの画像、その2です。BOSTON BLUE LINE04R.jpg(1)このふっくら顔の電車は?ボストンの地下鉄のうち、もっとも短い路線=ブルーラインの電車です。最近日本の電車にも復活している安全畳み柵や屋根の深さなど、ユニークなアメリカンスタイルです。

電車とともに運転方法も歴史も、なかなかユニーク(詳しくは記事中で)~時間があまり無い中で、グリーンラインのほかにどこを見ようか迷った挙句、郊外のリゾート地に向かうブルーラインに乗ってみたのでした。

グリーンラインと交差するGovernment Centerで乗り換え。

(2・3)グリーンラインから階段を降りるとブルーラインのホーム。柱がラインカラーに塗られているのは余所者には分かりやすいです。日本も目印の無い地下鉄駅などはこうしてみたら?BOSTON BLUE LINE08R.jpgBOSTON BLUE LINE05R.jpgこの線の終点はその名も胸ときめくWonderland。古くからビーチリゾート地だった沿線ですから、終点はさぞかし素敵な場所なんでしょうね。でもその前にひとつ戻った始発駅Bowdoinが気になって行ってみることに・・なぜかというと線路配置図ではループになっているらしい・・・

(4) ボストン中心地線路配置.jpg

予想通り(!)というか、ホームが扇状に広がってその間に出口への通路が~それにしても誰もいない駅って怖い!BOSTON BLUE LINE TERMINALR.jpgBOSTON BLUE LINE03R.jpg(5・6)到着した電車が奥のトンネルに消えていくと、急カーブのレールの軋り音がしばらく聞こえて、扇形ホームの反対側に戻ってきます。ちなみにNY地下鉄やフィラデルフィアの高架鉄道にもループの終点はありましたから、アメリカでは特に珍しくないのかも。

では楽園行きのブルーラインで出発!

と言いつつ、先を急ぐわけでもないので編成全体が撮影できそうな駅で途中下車。

(7)始発から3つ目のAquariumです。改めて編成全体をしみじみ眺めます側面の湾曲や大きな窓に2扉の側面、車輪むき出しの台車など、NYのPATHの電車にも通じる1960~70年代のアメリカンデザインが良いですね。BOSTON BLUE LINE AQR.jpgボストンの街や駅の雰囲気のせいか、この電車にはヨーロッパの香りも感じます。(ローマやミラノの地下鉄に似たデザインの電車が走っていた~ような気がします)

ネガを見ると、まめに途中駅で降りて撮影してました!~ものぐさな私には珍しいことで・・・NYの電車のようなヤバイ雰囲気も無く、乗客もリゾートに向かうような穏やかな人が多かったせいでしょう。

(8・9)自転車を持ち込む人も・・なんたってワンダーランド行きですから~BOSTON BLUE LINE09R.jpgBOSTON BLUE LINE10R.jpg          OUTBOUNDとINBOUNDの並びもばっちり抑えました。

ここは水族館があるのにふさわしく、ボストンのウォーターフロントで。ブルーラインは海の底をトンネルでくぐっています(路線図参照)BLUE LINE MAP.JPG(10)

次に降りたのはMaverickという駅。BOSTON BLUE LINE12R.jpg(11)お目当ては、ホームにある古めかしいミミックパネル~ではなくて・・・(しかし、なぜこんなところにあるのでしょうか?)

ここではこんな光景(↓)が見られるからです。ここまで地下鉄、ここから郊外電車っていうことですか?なかなかケジメのはっきりした電車ですね。

BOSTON BLUE LINE13R.jpgBOSTON BLUE LINE14.jpg(12・13)ちなみにパンタの上げ下げは停車中に行っていました~シカゴみたいに走行中に上げ下げしないのは、お上品なボストンだから?

(14)壁には路面電車のパネルもBOSTON BLUE LINE11R.jpg

カテナリー区間=地上区間と分かりやすいブルーラインは海底から勾配を駆け上がって、一気に地上に~

(15・16)最初の地上=架線区間の駅はAirport~ここは第3軌条も併設されていました。BOSTON BLUE LINE17R.jpgBOSTON BLUE LINE16R.jpg              ローガン空港の最寄り駅で、ホームの造りも何やらエアリーな感じでした。2004年に新装オープンした直後だったようです。

ここからは郊外の住宅地~ビーチリゾートへと走るにつれて、沿線の緑も増えていきます。

(17)こんな写真を撮っていると、日本で私鉄の撮影をやってる気分になりました。濃淡グリーンに塗ったら「おけいはん」と似ているかな~右側通行だけは違いますが。BOSTON BLUE LINE18R.jpg

この先もブルーラインの旅は続きますが、今回はここまでといたします。

 

 


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コメント 17

hanamura

駅の柱もブルー!涼しげな良い色ですね。
by hanamura (2012-07-22 11:34) 

Junior

 
> 日本で私鉄の撮影をやってる気分になりました。

昔のプルマン製の電車だと余計にそう思われたかも?
http://www.flickr.com/photos/ck4049/5009523448/
 
by Junior (2012-07-22 12:21) 

紅玉国光(富山市)

お久しぶりです。
ボストンの電車網……郊外へ出ると路面電車になるG(グリーン)ラインは我が国でも結構有名ですし、個人的には父が昔、米国へ行った時に利用した話を色々聞かされていたのですが、
B(ブルー)ラインに関しては、比較的情報が少ない様に思われますので、
管理人様のリポートは大変有り難く読ませて頂きました。
その昔、石本祐吉先生の鉄P誌上報告では、二重屋根の古典車両がまだ居て、青白ツートーンの新性能車と併用されていた模様でしたが。
さらに遡ると、市内寄りは路面電車が乗り入れ、郊外側は軽便鉄道……と云う、二つの路線を繋いで成立した系統だそうで……。
何か非常に「わくわくする」話題豊富な路線らしいですね。(正にRailway Wonderland?)
後篇、楽しみにしております。
by 紅玉国光(富山市) (2012-07-22 15:13) 

紅玉国光(富山市)

追記 旧い歴史ある路線ですが、駅構内等、美しく整備されているのは、流石にボストンと言った風情でしょうか。
(尤も、紅玉の父によると、Gラインの支線系統なぞでは、矢張り“危ないから紳士淑女は近付くな”的な地域があったとの事ですが……)
by 紅玉国光(富山市) (2012-07-22 15:16) 

Cedar

■hanamura様
ボストンにはブルー、レッド、オレンジ、グリーンの4色ラインがあります。ブルーラインが一番軽快涼やかでした。
■Junior様
プルマン製は京急230みたい=確かに日本的ですね。わたしが行った時は1世代前の電車も未だ事業用で残ってました。今は角ばったデザインの新形車が登場してるようです。
■紅玉国光(富山市)様
>父が昔、米国へ行った時に利用した話を色々聞かされていたのですが、
ボストンにはいつごろいかれたのでしょう?PCCが未だ現役の頃?
>市内寄りは路面電車が乗り入れ、郊外側は軽便鉄道……と云う、二つの路線を繋いで成立した系統だそうで……。
そうなんです、次回レポートは郊外側のいきさつを書いてますのでお楽しみに・・。市内寄りも海底トンネル部は開業時路面電車が使ってたとか=ボストンは昔から電車先進都市だったことが分かりますね。

★プント様
★あるまーき様
nice!ありがとうございます


by Cedar (2012-07-22 18:14) 

COLE

以前の記事にNice頂きありがとうございました
アメリカの列車には味がありますね
なんといってもゴツイ アメリカらしいです
by COLE (2012-07-22 20:14) 

Cedar

■COLE様
>アメリカの列車には味がありますね、なんといってもゴツイ~
こんな小さな電車から大陸横断の機関車まで、鉄板が厚いような不器用な重厚さがアメリカの鉄道の味です。

★undo様
★denta60様
★Reirei様
nice!ありがとうございます


 
by Cedar (2012-07-22 22:15) 

Tad

> 次回レポートは郊外側のいきさつを書いてますのでお楽しみに・・

BRB&L話? だったら楽しみですけど,だとするとネタバラシになっちゃうかな…。
by Tad (2012-07-23 01:44) 

EF510-230

この顔はどこかで見たことがあると思ったら、東急7200系ではないですか。
by EF510-230 (2012-07-23 15:18) 

あおたけ

前回のグリーンライン、そして今回のブルーライン。
同じアメリカの地下鉄でも銀色一色のNYよりも
個性的ですね〜。
途中下車して、パンタの上げ下げを撮るあたりが、
いかにもCedar さんらしい記録です。
by あおたけ (2012-07-23 18:08) 

Cedar

■Tad様
おっとっと。ネタばれ禁止!
■EF510-230様
サイドが膨らんでますが、7200よりは7000に似た印象ですね。
■あおたけ様
アメリカまで行って何やってんだか?って感じですね。
まあ正当派鉄写真は、私の腕では無理なんではなから諦めています。

★nexus6様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2012-07-24 06:09) 

Cedar

★ひでほ様
nice!ありがとうございます
by Cedar (2012-07-24 21:56) 

なにわ

貫通路はありますけど、ふくらんだ様が8090に思えませんか。

地上線部分は、潰れた路面電車の線路跡の流用なんだそうですが。
そんな昔から郊外に路面電車網があったとは。
by なにわ (2012-07-24 23:31) 

Cedar

■なにわ様
確かに8090に似てるかも?東急はBuddと提携していたので、アメリカ情報は色々入ってたでしょうから。
ブルーライン地上線のルーツは後編で。
by Cedar (2012-07-26 11:17) 

紅玉

紅玉の父がボストンを訪れたのは、確か昭和53年の事と記憶しております。丁度、P.C.C.から初代L.R.V.への置き換えが開始された、正にその時期に当たります(石本祐吉先生が訪問されたのはそれ以前、昭和49年でしたか?未だP.C.C.オンリーだった時代)
因みに父が滞在していたのは、大型断面車体の第三軌条式車両が走る地下鉄、R(レッド)ラインの沿線でした。

しかし、Bラインの爽やかな塗色、非常に好ましいけれども何処かで見た様な……と思えば、「伊豆急行」ではないでしょうか?
これも、なにわ様の仰る通り、東急関係繋がりではありますので……。
by 紅玉 (2012-08-04 10:30) 

Cedar

■紅玉様
概して治安の良いボストンの中で、レッドラインの一部地域が危ない、というのはこの時にも聞いた事があります。

ブルーラインの電車、塗装も含め、東急車輛が何らかの参考にしたのかも?東急車輛の初期の電車はなかなかアメリカンな匂いがします。
by Cedar (2012-08-04 15:04) 

OER3001

Cedar さま
こんなに詳細なるご紹介、ありがとうございます。
これの記事に行く前に出会っていたら・・・もっと充実した情報収集ができたのにと、残念でなりません。
by OER3001 (2020-06-09 20:38) 

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